米Microsoftは2月29日(現地時間)、Windows 11バージョン22H2および23H2に対して、機能やセキュリティの改善を提供する「Windows構成更新プログラム」のロールアウトを開始した。Windows UpdateおよびMicrosoft Storeで配信しているアプリのアップデートを通じて、Copilot(プレビュー)のプラグイン・サポート、「フォト」アプリのジェネレーティブ消去(Generative Erase)、インテリジェントなスナップ提案、Android端末をWebカメラとして使う機能など、数多くの新機能と新たな体験を追加する。一部の機能は現在Windows Insidersでプレビュー中であり、Copilotの新機能は3月を通じて展開される。2024年4月のセキュリティ更新プログラムのリリースまでに、対象となる全てのデバイスでほとんどの新機能の利用が可能になる見込みである。



AIによる新機能から紹介すると、Windows 11のCopilotが、これまでWeb版でしか使えなかったプラグインをサポートする。OpenTableのプラグインを使ってチャットを通じてレストランを予約したり、Instacartプラグインで食料品の配達を頼める。さらに、Kayak、Klarna、Shopifyといったパートナーからも、プラグインを通じた新たなAIチャットボット活用方法が提供される。



また、Copilotのスキルを使って、以下のような設定やアクセシビリティ機能のアクションをプロンプト入力で実行できるようになる(3月下旬に展開予定)。

バッテリーセーバーのオン/オフ、デバイス情報の表示、システム情報の表示、バッテリー情報の表示、ストレージ情報の表示、利用可能なWi-Fiネットワークを表示、IPアドレスを表示、ごみ箱を空にする、ライブキャプション開始、ナレーター開始、拡大鏡、音声アクセスページを開く、テキストサイズ・ページを開く、コントラストテーマ・ページを開く、音声入力を開始



スナップレイアウトは、ユーザーのアプリの使用パターンに基づいてパーソナライズされたスナップ候補を提供する。アプリの最小化/最大化ボタンにカーソルを合わせると現れるレイアウトボックスに、開いているアプリのアイコンが表示される。レイアウトオプションを選択しやすく、複数のアプリウィンドウをより効率的にスナップできるようになった。



「フォト」のジェネレーティブ消去は、「スポット修正」(Spot fix)を生成AIで強化した機能で、写真から不要な部分(シミや風景に写り込んだ人物など)を容易かつ正確に除去してより自然に仕上げられる。



AI動画エディタ「Clipchamp」のプレビュー版で、動画から無音部分を簡単に除去する機能が提供される。会話の間や言葉選びの際の空白をカットすることで、テンポの良い動画にまとめられる。

AI関連以外の機能として、ウィジェットボードの体験がよりウイジェットに集中できるように刷新された。デフォルトで左側にウイジェット、右側にフィードが並ぶ。通知の表示、ウイジェットの選択・配置、フィードをより柔軟にカスタマイズして整理でき、フィードを非表示にしてウイジェットのみのボードにすることも可能である。

Windows Inkでテキストボックスに直接テキストを書き込み入力できる機能の対応アプリが拡大し、フォト、ペイント、WhatsApp、Facebookメッセンジャーなどで利用できる。また、ファイル共有オプションにWhatsApp、Snapchat、Instagramが追加され、Facebookメッセンジャーなどさらなる追加も予定されている。

Android携帯との連係で、Windows 11 PCからAndroid端末で最近撮影した写真にアクセスできるようになった。また、Windows 11 PCのビデオ通話アプリで、Android端末のカメラをWebカメラとして使用する機能のプレビューがWindows Insidersで始まった。この機能には、Android 9.0以上、「Link to Windows」アプリのバージョン1.24012以上が必要である。



音声アクセスで、音声ショートカットを使ったカスタムコマンドを作成できる。これを利用することで、テキストやメディアの貼り付け、キー入力、ファイルやURLのオープンなど、よく利用する機能をワンフレーズですばやく実行させることが可能になる。また、マルチディスプレイ環境において、数値オーバーレイとグリッドオーバーレイを含む全ての音声アクセス機能を使用できるようになった。画面でグリッドオーバーレイを使用している間は別のディスプレイにすばやく切り替えることができ、マウスグリッド・コマンドを使用してディスプレイ上の特定のポイントにマウスを移動できるなど、ナビゲーションや移動がこれまで以上に簡単になった。