なかなか痩せない……なら冷蔵庫を見直して!「痩せやすい冷蔵庫」作りのポイントって?

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「何度もダイエットにチャレンジしたけど、なかなか体重が減らない・・・。そう感じている人は、ダイエットの前にキッチンを見直す必要があります」と語るのは、管理栄養士・森由香子氏。“痩せにくいキッチン”には、知らず知らずのうちに食欲を刺激したり、食べる量を増やしたりしてしまう“痩せにくいポイント”があるのだとか。今回は、氏の著書『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)から、痩せやすい冷蔵庫作りのヒントを少しだけお届けします。

太りやすい人の冷蔵庫の中は、「栄養」がすでに偏っている!?


栄養指導をしていると、「そんなに食べていないのに、なぜか太るんです」とおっしゃる方が少なくありません。でも、よくお話をうかがってみると、必ず何かしら太りやすい原因があるものです。

太る原因の意外な盲点になっているのが、栄養素の偏り。私たちの体は、さまざまな食品を食べて幅広い栄養素をとることで代謝がよくなり、太りにくく痩せやすくなるようにできています。ですから、日々口にしている食材に偏りがあると、栄養素も偏り、食べている量の割に、どうしても太りやすくなってしまうのです。

もしあなたが思うように痩せないと感じているなら、まずは冷蔵庫の中身をチェックしてみましょう。冷蔵庫を見れば、あなたの食生活の問題点が自然と見えてくるはずです。


そのとき役に立つ合言葉が、「かきくけこ、やまにさち」です。

ひとつひとつの言葉の意味は、

・か→海藻

・き→きのこ類

・く→果物類

・け→鶏卵(卵)

・こ→穀類・いも類

・や→野菜

・ま→豆(大豆)類・種実類

・に→肉

・さ→魚(魚介)

・ち→チーズなどの乳製品・牛乳

です。

これらの食材をすべてバランスよく食事に取り入れていれば、栄養素の偏りもなくなり、自然と痩せやすい体になっていきます。さっそく冷蔵庫の中身をすべて出してテーブルに並べ、「かきくけこ、やまにさち」がひと通りそろっているか、特に多い食材や不足している食材はないか、確認してみましょう。

冷蔵庫は「食べたいものを入れておくところ」ではなく、「自然と痩せるための健康資産を蓄えるところ」と考えるようにしましょう。

冷蔵庫の中は、定位置を決めて「見える化」しよう!


「栄養素の偏り」をなくして痩せやすい体になるためには、冷蔵庫の中身を自分自身できちんと管理することがとても大切です。

痩せにくい人の冷蔵庫にありがちなのが、食材がぎゅうぎゅうに詰め込まれていたり、仕分けせずに乱雑に入れられているパターン。こうなると、冷蔵庫を開けても一番手前にある食材しか見えず、食材の過不足がつかめず、管理できなくなります。

すると、冷蔵庫にあるものをまた買ってしまい、消費するために同じものばかり食べることになりがちです。それが野菜ならまだよいですが、バラ肉や油揚げ、肉の加工品など、高カロリーで高脂質な食品だと、当然太る原因となってしまいます。

ですから、痩せるためには、まず冷蔵庫の整理整頓からはじめましょう。


たとえば、1段目の左:肉、右:魚介など、2段目の左:瓶入りの保存食など、右:乳製品など、3段目の左:飲み物、右:加工食品という具合に、食材のざっくりした分類ごとに定位置を決めて、入れ直してください。さらに、背の高いものは奥、背の低いものは手前に置き、スーパーの袋に入れたままなど中身がわからない状態では入れないようにして、どこに何があるのか、ぱっと把握できるようにしておきましょう。

冷蔵庫の中を常に整理整頓しておくと、自然と食材が管理され、不要な買い物も、食品ロスもなくなります。結果的に、自分で食事の内容や量を管理する自己管理能力も高まり、無理なく痩せられる心と体に近づいていくことができるのです。こうした習慣が身につけば、庫内はいつもきれいで衛生的ですし、無駄な出費も減って、いいことづくめです。

1週間に1度、使いきれていない野菜で「スープの日」を!


痩せやすい人の冷蔵庫は、とにかく野菜室が充実しています。1週間の間、たっぷり野菜がとれるように、緑黄色野菜、淡色野菜がそれぞれ常備されているのです。


ですから、皆さんにもぜひ野菜室を充実させていただきたいわけですが、いざ野菜を買い込んでみても、慣れないうちは使いきれずに無駄にしてしまうことがあるのではないでしょうか。せっかく野菜室を充実させても、実際に日々の食事で野菜を食べなければ意味がありません。

そこで私がおすすめしているのが、1週間に1度は野菜室を見直して、使い残している野菜をすべて入れて、スープを作ること。こうすれば、緑黄色野菜も淡色野菜も、1週間のうちに全部しっかりとることができ、栄養バランスも整って代謝も上がります。

どんな野菜もスープにすればたいがいおいしく食べられますが、ものによって、夏は生野菜サラダ、冬は温野菜サラダにして楽しむのもよいでしょう。野菜スープでお腹を満たしたり、ドレッシングや調味料の使いすぎに注意してサラダをたっぷり食べたりすれば、満足感もあり、炭水化物などを食べる量も無理なく減らせます。もちろん、余っている野菜も消費でき、食品ロスも防げます。

本文は『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ


私は、ダイエットを始める前に家の中を痩せやすい仕組みに変えることが重要だと思っています。なかなか痩せない方は、痩せにくい仕組みに知らずに身をおいていることが多いものです。

たとえば冷蔵庫。ストックしている食品にダイエットを邪魔するものはないでしょうか。口にする食品に偏りがあれば栄養素に過不足が生じてダイエットを難しくさせます。

そんな方へ痩せるための「やせる冷蔵庫」がお勧めです。10種類の食品を用意しカテゴリー別に整理整頓し庫内で見える化したものです。代謝を円滑にするために必要な栄養素がそろいます。本著は他にも痩せやすい仕組みに変える提案をしています。ダイエット前にご一読いただけると幸いです。

書籍紹介


『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)

ダイエットは、体重計に惑わされずに、行動と生活を変えることで、少しずつ体重を落としていくことが大切。遠回りに感じるかもしれないが、長期的に環境を変えていくことが、ダイエットを成功させる秘訣だ。

管理栄養士の森氏は、キッチンの「太らせポイント」をなくすことが大切! と主張する。

太ってしまう人のキッチンには、太る原因となる多数の共通点があるのだとか。

そこで本書では、“太るキッチン“の仕組みや習慣を変えて、“やせるキッチン”へと変えるポイントを指南する。

著者紹介


森 由香子(もり ゆかこ) 

管理栄養士。日本抗加齢医学会指導士。

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。クリニックで、入院・外来患者の栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などの経験をもつ。日本サルコペニア・フレイル学会会員・日本認知症予防学会会員・日本排尿機能学会会員・日本時間栄養学会会員。抗加齢指導士の立場からは、〈食事からのアンチエイジング〉を提唱し、「かきくけこ、やまにさち」®食事法の普及につとめている。