CBS MarketWatchによると、12日の米ニューヨーク株式市場で、米インターネット大手ヤフーが下落、また、インターネットメディアのCNETネットワークスも一時売り物に押され、終値で1万1947.70ドルに上昇して過去最高値を更新したダウ工業株30種平均とは対照的な動きを示した。両社はアナリストから業績予想で厳しい評価を受けており、投資家の姿勢が慎重になったためと見られる。ニューヨーク証券取引所で12日の終値はヤフーが前日比0.50%安の24.12ドル、CNETが同0.05%高の9.19ドルだった。

  IT専門の米投資銀行ジェフェリーズのアナリスト、ヨーゼフ・スクエーリ氏は、数週間前、ヤフーの広告事業について、自動車と金融の各セクターで売り上げの落ち込みが予想されることから、同社の第3四半期の業績予想を11億7300万ドル(約1400億円)から11億2000万ドル(約1340億円)に下方修正した。それ以来、ヤフーの株価は低迷している。スクエーリ氏は「短期的に見て、上値の重い展開が続くだろう。第4四半期の後半から2007年第1四半期にかけて持ち直しに向かう」と予想している。

  他方、CNETは米投資銀行ゴールドマン・サックスのアナリスト、アンソニー・ノト氏が投資判断を「中立」から「売り」に引き下げたほか、CNETの2007年最終利益予想を15%下方修正したことが投資家に嫌気され、前日の引け値9.14ドルに対し、12日午前の取引では、一時8.83ドルまで下げる場面があった。今回のノト氏の投資判断の引き下げは、CNETが第3四半期の業績見通しと通期の売上高予想を下方修正し、ストックオプション(自社株式購入権)の不正問題をめぐり11日に共同創業者でCEO(最高経営責任者)のシェルビー・ボニー氏と他の幹部2人が辞任を発表したことを受けたもの。ノト氏は「これらの悪材料が株価に十分、織り込まれているとは思えない。2007年の業績見通しもかなり甘い」と厳しい見方だ。【了】

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