毒舌漫才が売りだったツービートは2位にランクイン

 12月24日、『M-1グランプリ2023』の決勝がおこなわれ、結成5年めの「令和ロマン」が第19代王者に輝いた。

 日本一の若手漫才師を決める大会として、2001年に始まった『M-1』。いまや師走の恒例行事として定着し、「お笑いブーム」の中心的存在ともいえる大会だが、1980年代前半に巻き起こった「漫才ブーム」を懐かしく思う人も多いだろう。

『花王名人劇場』(関西テレビ)、『THE MANZAI』(フジテレビ)といったテレビ番組が起爆剤となり、漫才師がまるでアイドルのような人気者となった時代だった。現在、テレビの主役は「お笑いタレント」だが、その転換期となったのが、この「漫才ブーム」だったことは間違いない。

 そこで本誌は独自のアンケート調査を実施。「あなたがもっとも『もう一度見たい』と思う漫才ブームのコンビ・ユニットは何かを、全国の50代以上の男女500人にきいた。対象としたのは、漫才ブームで活躍したコンビ・ユニットの15組だ。

 では「もう一度見たい漫才」トップ5から見ていこう。

【第4位】30票 オール阪神・巨人
 同票で2組が並んだ。1975年結成の「阪神・巨人」は吉本興業を代表するベテランコンビ。「もう一度見たい」理由は?
「2人の体型も含めて、漫才コンビの典型的なスタイル。これぞしゃべくり漫才という芸風で安心してみていられる」(70代男性・静岡県)
「正統派の漫才。最近の、大きな声で騒ぎ立てるような耳障りな漫才は苦手です」(60代女性・東京都)

【第4位】30票 コント赤信号
 1977年結成のコントトリオ。現在は3人それぞれ別の事務所所属だが、2009年正月の番組で、約20年ぶりに3人そろってコントを披露している。
「リーダーの渡辺(正行)さんが明治大学の落研で活躍していたときから見ています。最近の『M-1』みたいな声が大きいだけの漫才は好きではないので」(60代女性・千葉県)
「『兄貴!』からの『待たせたな』の暴走族コントが大好きでした。ヒップアップも好きでしたが、先日島崎(俊郎)さんが亡くなったのは残念です。赤信号は3人ご存命なので、またやってほしいです」(50代女性・福井県)

【第3位】33票 今いくよ・くるよ
 高校の同級生で1970年にコンビ結成。いくよさんは2015年に死去している。
「女性コンビの最高峰だと思います。いくよのテンポのよいしゃべりと、くるよのギャグの組み合わせは最高です」(60代男性・岐阜県)
「対照的なキャラクターでも2人の仲の良さが見ていてよくわかりました。最近のお笑いはどぎつ過ぎて、私には合わないようです。いくよさんが亡くなったのが本当に残念です」(70代女性・東京都)

【第2位】89票 ツービート
 1972年結成。毒舌のブラックユーモア漫才で人気を博し、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は流行語に。
「いまではすっかり文化人になってしまったたけしだが、全盛期の頭の回転のいいトークを再度見てみたいと思う」(50代男性・埼玉県)
「あの毒舌漫才には死ぬほど笑わせてもらった。毒舌のなかにも絶妙な社会風刺もあったように思う。最近のM-1なんかを見ていると、漫才というよりコントですね」(60代男性・岡山県)

【第1位】203票 横山やすし・西川きよし
 1966年結成の「やすきよ」が4割以上の圧倒的な支持。1986年、きよしが国会議員になり活動休止。やすしさんは1996年に死去。
漫才ブームの、というより、昭和を代表する漫才師でしょう。やっさんの『怒るでしかし』『メガネ、メガネ』がまたみたいなー」(70代女性・大阪府)
「ムチャクチャなやっさんと、真面目で一生懸命なきよしさん。絶妙なコンビネーションでした。やっさんみたいなキャラクターはもう現れないでしょう」(60代男性・東京都)
「理屈抜きでおもしろかったのは、やすきよです。当時と比べて、いまは観客が笑いに対して甘い気がします。なんにでも笑うけど、本当におもしろいと思っているのか。いまの若い人にもぜひ見てほしいです」(70代女性・山梨県)

 第6位以下は、次のとおり。
【第6位】28票 島田紳助・竜介
【第7位】26票 ザ・ぼんち
【第8位】23票 B&B
【第9位】11票 春やすこ・けいこ
【第10位】8票 ヒップアップ
【第11位】6票 太平サブロー・シロー
【第12位】5票 星セント・ルイス
【第13位】3票 おぼん・こぼん
【第13位】3票 ゆーとぴあ
【第15位】2票 西川のりお・上方よしお