「夫と別れてください」長男をおんぶして浮気相手の実家へ直談判:セックスレス・綾子さんの場合3
日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「なんとか修復しようと努力をしていた自分がかわいそうだった」と涙を浮かべる綾子さん(仮名・50代)。20年を超えるレスの夫婦生活は苦しい思い出ばかり。今回は夫の浮気相手だった女子大生の家へ妻が直接乗り込んだときのお話です。
浮気相手の実家へ「別れさせてほしい」と説得へ
妻である綾子さんとはレスのまま浮気していた夫。「愛人と別れる」と言いながらも、嘘を重ねて交際を続けていることが発覚しました。通話履歴とタウンページを駆使して、相手の家を突き止めた綾子さん。
長男をおんぶして、別れてほしいという交渉をしに愛人の実家へ向かいました。うまくいくのでしょうか…?
●長男を連れて訪れた夫の交際相手の家
「今だったらシッターさんや一時預かりも充実していますが、当時は昨日今日でいきなり乳幼児を預かってくれる場所もなくて。自分の親に、こんなことで負担ばかりかけたくないという思いもありました。それに、向こうの家族に、夫には家庭があるということをちゃんと知ってほしかったんです。だから子ども連れていくことにしました」と当時の状況を語る綾子さん。
電話で話したときは、向こうの親も少し信じられないというような印象でしたが、私が出向いたときには、娘さんに事情を聞いたりもしたようで、仰々しい謝罪をされたといいます。しかも相手は、まだ20歳。女子大生でした。アルバイト先の飲食店で出会い、自分から悩みがあるから相談に乗ってほしいともちかけたそう。
相手の両親は、「門限など厳しく、過保護に育てすぎたのがいけなかった」などと、反省の弁を述べていたといいます。
「相手の女性は淡々としゃべってましたね。大人の男性に憧れて自分から誘ったとも言ってました。ただ『結婚するつもりはない。別れます』という点がハッキリしていたことはよかったです。夫は本気だったから相手の女性まで絶対別れないみたいなスタンスだったらどうしようかと、内心は不安いっぱいでした」
●夫が女性と別れるまで
無事に本人、そして相手の女性の両親とも別れてもらえる約束をとりつけた綾子さん。「大変な修羅場でしたね!」と話すと、「いや、向こうの家は至って冷静でしたよ。困ったのはうちの夫のほう。『君は1人でも生きていけるだろうけど、あの子は僕がいなかったらダメなんだ』とか、ドラマのセリフみたいなことを言って1人でのぼせあがっていて…」
夫は携帯会社に電話をして、通話履歴の明細の送付を止めました。その後も二人で野球観戦に行ったと思われるチケットが出てきたり、夫が高額なアクセサリーを買い物したことがカードの明細から判明しました。
「夫は警戒して自分の携帯ではなく、会社の電話を使って彼女とやり取りをしていたようですが、本気で隠す気はなかったみたい…。結局、もう一度、相手の女性の家へ電話することにしたんです。『お宅のお嬢さんが夫と別れるつもりがないならば、正式に慰謝料の請求をさせていただきます』って。正直お金の問題じゃないんですけれどね。向こうの親は『周囲に反対されて、タガがはずれたのかもしれない。今度こそ絶対別れさせます』と言われました」
もはや半信半疑だったという綾子さんでしたが、そこで夫と女子大生の関係はパッタリ途切れました。
繰り返される黒歴史。浮気が終わって、レスも終わった
どうして浮気が終わったとわかったのですか? と聞くと、「夫が急に求めてくるようになったんです。浮気が終わって、レスも終わったんだと感じました」と綾子さん。ただ、浮気していたという事実が大きすぎて、今までと同じように夫への愛情はもてなかったそう。
●気持ちの切り替えができないまま妊娠
「夫を愛しているという気持ちはないけれど、子どももいるし、家族としてなんとか立て直さねばという思いはありました。だから避妊をしてとも言いにくくて。そのまま受け入れていたら、また妊娠。迷いがなかったといえばウソになります。浮気の原因が産後レスでしたから」
こうして、夫の浮気が終焉を迎えた翌年、綾子さんは第二子となる女の子を出産しました。けれども、産後で育児に翻弄されて行為を控えていたころ、またしても夫の女性問題が浮上。
浮気をするからレスになるのか、レスになっているから浮気をするのか…。鶏と卵の問題にも似たジレンマを抱えてしまうお話はまた次回したいと思います。