飲料商品に表示されている「無糖」「微糖」「低糖」の違いは?

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 缶コーヒーやペットボトルコーヒーの多くは、「無糖」「微糖」「低糖」と表示された状態で販売されています。これらの表示は、どのような違いがあるのでしょうか。コーヒー飲料「BOSS(ボス)」シリーズなどを販売する、サントリー食品インターナショナル(東京都港区)の担当者に聞きました。

100ml当たりの糖類の量によって表示が異なる

Q.「無糖」「微糖」「低糖」の違いについて、教えてください。これらは、どのような基準で表示しているのでしょうか。

担当者「無糖、微糖、低糖の表示は、100ミリリットル当たりの糖類の量によって決まります。『糖』に関する表示のルールは、食品表示法で規定されており、飲料の場合、糖類が100ミリリットル当たり0.5グラム未満であれば『無糖』、2.5グラム以下であれば『微糖』『低糖』とそれぞれ表現することができます。

日本コーヒー飲料協会は、100ミリリットル当たり7.5グラムの糖類が含まれる製品を『コーヒー飲料等通常品』と定めています。このような製品と比べて、糖類の量を2.5グラム以上減らした場合も、比較製品を明記した上で『微糖』『低糖』という表現が可能とされています。

例えば、新たに開発した飲料製品に含まれる糖類が5.0グラム以下の場合、微糖または低糖と表示できます」

Q.では、「微糖」と「低糖」に違いはあるのでしょうか。

担当者「食品表示法の基準では、微糖と低糖に違いはありません。当社の場合、同一ブランドで微糖タイプの商品と低糖タイプの商品を同時に販売する際は、糖類がより少ない方の商品に微糖と表示しております」

Q.飲料商品は、「無糖」「微糖」「低糖」のいずれかの表示をしなければならないのでしょうか。

担当者「『無糖』『微糖』『低糖』を表記する際は、先述の食品表示法の基準を満たす必要がありますが、表記自体の義務はありません」

Q.「微糖」と書かれた缶コーヒーやペットボトルコーヒーの中には、甘さが控えめな商品もあれば、甘みが強い商品もあります。容器によって、甘さに違いはあるのでしょうか。また、近年はどのような味わいの商品が好まれているのでしょうか。

担当者「現在、主流となっている味わいを明確に定義するのは難しいですが、缶コーヒーはペットボトルコーヒーよりも比較的甘みがある商品が多いです。

近年は、甘さを抑えた商品に人気が集まりつつあります。そこで、当社は2023年4月に、甘さを控えめにした『クラフトボス 甘くないイタリアーノ』を発売しました。甘さを抑え、コーヒーとミルクの味わいをより引き立てたのが特徴で、多くのお客さまから好評いただいております。

今後も、当社は、BOSSシリーズの缶コーヒー、ペットボトルコーヒーについて、多くのお客さまの嗜好(しこう)に応えるために、さまざまな商品を展開するとともに、新たな提案を続けていきます」

 飲料に含まれる糖類が0.5グラム未満であれば、「無糖」と表記できるのは意外でした。スーパーやコンビニエンスストアでコーヒー飲料を見掛けたときは、「無糖」「微糖」「低糖」の表示に注目してみると、違った発見があるかもしれません。