「バカ」と連呼するサポーターら(ツイッター投稿の動画から)

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サッカー・AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の試合で、前回王者の浦和レッズと対戦した中国・武漢三鎮のサポーターらが、スタンドで「バカ」を連呼し、外では日の丸を燃やして破り捨てる行為をしたと、ツイッター(X)に動画が投稿された。

理由ははっきりしないが、日本が原発事故の処理水を海洋放出したことに反発したのではないかともされている。今後、日本でも武漢戦が予定されており、何らかの対応が迫られそうだ。

「海が泣いている」との横断幕も一時掲げられた

「武漢三鎮」のチーム名が入った青いレプリカユニフォームを着た中国人サポーターらが、太鼓を叩きながら、「バカ、バカ、バカ...」と叫んでいる。こぶしを振り上げており、日の丸を掲げた浦和サポーターらの方を指差しているようにも見えた。

この動画は、中国人サポーターとみられる人が2023年9月20日、ツイッター上などに投稿した。その内容からは、なぜサポーターらが「バカ」を連呼していたのかは不明だ。

この日は、浦和レッズと武漢三鎮のグループステージ初戦が武漢スポーツセンターで行われた。一進一退の攻防で、試合は、2対2のドローとなり、浦和が勝ち点1を獲得した。

ツイッターでは、スタジアム外とみられる場所で武漢サポーターらしき男性が左手に日の丸の旗を持ち、右手のライターで火を点ける様子を撮った動画も投稿された。囲んだサポーターらが何かの歌を合唱しており、火を点けた男性が日の丸を破って放り投げると歓声が上がっていた。

試合をめぐっては、さらに別の動画や写真も投稿されており、青地に白い字で「海が泣いている」と中国語と日本語で表示された横断幕を武漢サポーターらが掲げる様子も写っていた。投稿によると、キックオフ前に出され、すぐに取り下げられたという。

「クラブとしてお答えできることはございません」

横断幕の内容から、国際試合の場で、処理水問題を広くアピールする狙いがあるのではないかとみられている。一方、国際サッカー連盟は、試合中などにスタジアムや周辺で政治的な主張を行うことを禁止しており、違反行為の可能性もあるとの指摘も出ている。

Jリーグのサイト情報によると、今回のACLでは、11月29日に埼玉で再び浦和レッズと武漢三鎮の試合が予定されている。ツイッター上では、今回のことから、何らかの対応が取られる可能性もあるのではないかとの見方も出ている。

武漢サポーターらのこうした行為について、浦和レッズや日本サッカー協会では、9月21日19時現在で、公式サイトなどで反応していないようだ。

日本サッカー協会の広報部は同日、J-CASTニュースの取材に対し、「お問い合わせいただいた内容が報道されていることは承知しておりますが、現地からの報告はなく現時点において詳細を把握することができません。また、埼玉で行われる試合運営に関するご質問は、ホームクラブの管轄となりますので、浦和レッズにお問い合わせいただければ幸いです」とコメントした。

浦和レッズの広報部は同日、取材に対し、埼玉での試合運営も含めて、「クラブとしてお答えできることはございません」とだけ述べた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)