光熱費の高騰が続いています。1年半ほど前に、大手ハウスメーカーで太陽光発電を導入した注文住宅を建てた、30代の日刊住まいライター。約100万円の初期費用を投じたところ、年間で約14万円分のメリットがありました。手厚い保証についても満足。導入の様子について、詳しく語ります。

本当に元は取れる?当初、太陽光発電の導入には否定的

当初は電気とガスを引いた、一般的な家を建てようと思っていた筆者。太陽光発電の導入については否定的でした。太陽光発電の導入コストが高いと感じていたからです。

筆者が家づくりに選んだハウスメーカーの見積もりでは、家庭用で4kW太陽光発電を設置する場合、初期費用が100万円程度。これに加えて、エネルギー管理システム(HEMS)に24万円程度かかるとのことでした。

これでは、わが家の予算には合わないな。これが、まず筆者が思ったことです。

優先順位を考えれば、ほかの用途にお金を使いたい。そもそも、太陽光発電を長年使い続けても、元が取れる日が来ないと思っていました。

 

月々のランニングコストを抑えるか、初期費用を抑えるか

そんな筆者の心の内を知ってのことか、ハウスメーカーの営業マンが、太陽光発電を導入した場合のシミュレーションを説明したいということに。

その結果は、導入コストに対して大きく得することもなく、損することもなくトントンというものでした。

初期費用をかけて、月々の電気代を下げるか。それとも、初期費用を抑えて、月々の電気代を払い続けるか。シミュレーションの結果を聞いて悩んだ筆者。

結局、太陽光発電を採用することに決めました。理由は電気代の高騰が予測されたことと、月々の光熱費を抑えたかったからです。

もちろん、生活スタイルや天候などに左右されるため、必ずしもシミュレーションとおりにはならないのは、承知のうえのこと。

 

売電実績は年間約9万3000円。10年以内に元が取れる予想

筆者の家では屋根上に4kWの太陽光発電パネルを搭載しました。設置費用は約100万円。

2022年度の太陽光発電による売電は4900kWh、売電単価は19円/kWhに。したがって、年間の売電による収益は9万3000円でした。さらに、自家消費した分が1500kWh、買電単価を30円/kWhとすると、買電は4万5000円という結果に。

ということは、単純計算すると7、8年で元が取れることになります(※)。

※ 100万円÷(9万3000円+4万5000円)=7.25年

とくに日照時間の長い春から夏にかけては、月々の売電価格が1万円を超えることもありました。筆者の場合、共働きで昼間はほとんど電気を使わないという生活スタイルも影響しています。

個人的な感想としては、太陽光発電は意外と発電しているなという印象。最初はどれくらいの電力を発電できるのか不安でしたが、実際に導入してみると思った以上に発電が行われていることに驚きました。

家づくりをしていた当時は、ここまで電気代が高騰することは想定外でしたが、結果的に太陽光発電を導入して正解でした。

太陽光発電導入のメリットと注意点

太陽光発電の導入には、いくつかのメリットがあります。まず、月々の電気代を削減できます。

私の場合、年間約14万円の導入効果がありましたので、これは大きな節約になりました。また、太陽光発電は環境にも優しいエネルギーですので、地球環境への貢献もできます。

一方で、太陽光発電の導入にはいくつかの注意点もあります。

まず、初期費用がかかることがあげられます。筆者の場合、設置費用が約100万円で、最初に大きな出費が必要でした。

また、太陽光発電の効果は地域や気候条件によって異なるため、十分な調査とシミュレーションが必要です。筆者も導入する前に、周囲に高い建物がないか、地域の気候が太陽光発電に適しているかといった調査をハウスメーカーに頼んで入念に行いました。

パネルの向きや数、それによる想定発電量は、メーカーの人がしっかり教えてくれます。

ちなみに、太陽光発電のシステムは定期的なメンテナンスが必要です。パネルの清掃や動作チェックなど、定期的な点検が不可欠。それにともなう費用や手間も考慮しておく必要があります。

筆者の家では、ハウスメーカーの1年点検のときにドローンを使って、パネルの破損がないか無償でチェックしてもらいました。

筆者の場合だと、保証は10年間ついてきます。1年点検や10年点検でドローンを飛ばしてチェックもしてくれます。そこまで考えると、100万円は意外にお買い得だったのかもしれません。