54歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小3の長男・うーちゃん、同じく里子から養子になった保育園年長の長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、子どもたちの学習事情について。

ひらがなが書けない妹と、筆算したくない兄<古泉智浩の養子縁組やってみた111>

保育園の年長のぽん子ちゃんは字が書けません。

七夕の飾りの願い事でお友達は「オモチャがほしい」など自分で字を書いています。教室の窓にはり出された絵にも名前だけでなく、なにかメッセージ的な文章が添えられていることもあります。

ぽん子ちゃんは自分の名前のひらがなはなんとか分かるような感じですが、読めるとしてもほんの数文字程度。七夕の飾りはなにか字のようなものが書いてありましたが、まるで読むことができず、ぽん子ちゃんに「なんて書いたの?」と聞いても、あいまいな表情できちんと答えてくれません。自分でもなにを書いたのか忘れてしまったようです。ひらがなの一文字が一音を示していることは理解しているようです。

 

●「教えられる気持ち」が皆無のぽん子ちゃん

小学校に入れば徹底的にひらがなの練習をして教えてくれます。うーちゃんはわりと早くひらがなが読めて書くこともそれほど苦手ではありませんでした。そのため、1年生になってまたやり直すのがちょっと気の毒な感じもしました。

しかし、ぽん子ちゃんがまったく書けも読めもしないまま小1になって大丈夫なのでしょうか。

ぽん子ちゃんにひらがなを指さして
「これが『あ』だよ」
などと教えると
「うるさーいー!」
と激怒します。

ぽん子ちゃんは普段自分が偉そうにしている分、ものを教わることが大嫌いなようです。素直に教わる気持ちが皆無です。

なので、小学校に入って先生が教えてくれているのにそれを拒否する姿勢であったら大変なことになります。おやつを隠すなどいろいろと知恵が回るし、テレビのリモコン操作で数字はなんとなく覚えているようです。気持ちのきり替えひとつで、すらすらと覚えてくれそうなのですが、そのきり替えがどうしたらいいのか分かりません。

ひらがなの読み書きに苦手意識を抱いてしまった場合、その後の学習に大変な影響が生じます。なんとか入学までに、ひらがなの読み書きくらいは身に着けてほしいです。

●なぜか筆算しないうーちゃん

家の近所に公文があるので、ちょっと行ってみました。年長の子どもにひらがなを教えてもらえるか聞いてみたところ、そういった学習指導をしているとのことで、今月後半から無料学習体験会があるとのことで、早速申し込むことにしました。

その際、ふと3年生のうーちゃんが勉強はそれほど苦手ではないのだけど、算数でとにかく筆算をしようとしないことについて聞いてみました。

とくに繰り下がりのある引き算で、4桁ともなると暗算ではどうにもならなくて、苦しんでいるので紙に書いてごらんと言いました。

それでも暗算でがんばっているので、僕が紙に書いて筆算をしてみました。スマホの計算機で答え合わせをすると、うーちゃんも僕も間違っていたので驚きました。4桁の繰り下がりは紙に書いても難しい。

そんなことを公文の人に聞いてみたら、なんと公文では筆算をせずに計算する力が身につくと言うのです。

「うーちゃん、公文に行くと筆算をしないで計算ができるようになるってさ」
家に帰ってそう告げるとうーちゃんが目を丸くしてうれしそうにしました。大いに乗り気なようです。うーちゃんの体験学習も申し込むことにしました。

 

●算数は基本でつまずくと大変!

2人分ともなると料金が大変です。国語も大事ですが、算数はどこかで苦手な部分が生じると、そこが後の学習に影響を及ぼします。苦手な部分をなるべくつぶしていくことが大事です。

僕自身は、デシリットルをよく学ばないままここまできています。いまだに何回聞いても覚えられなくて、日常生活やその後の学習に大きく影響を及ぼす部分でないからそれほど問題ではないですが、これがほかの重要部分だったら大変なことです。

しかし、うーちゃんはしっかりと九九を覚えていて、それだけでももう算数の大半はOKなような気もします。割り算もそれほど苦手ではないようです。九九を覚えたら大人になっても大体大丈夫。4桁の引き算なんて普段は計算機がないと無理じゃないでしょうか。とはいえ、勉強についていくことも重要なので、「普段使わない」なんてことを本人に伝えるわけにはいきません。