【2024年卒就活生】就職人気企業ランキング 3年連続1位は三菱商事! 大幅に順位を上げた業界とは?

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東大に京大、早慶一橋、旧帝大や東京工業大学などの国内の大学でも上位校にあたる大学生が入りたい企業とは?

就職支援サービス「ミキワメ就活」を運営するリーディングマーク(東京都港区)は2023年5月31日に2024年卒予定の旧帝大と早慶一橋、東京工業大学の大学生・院生を調査した「2024年卒 就職人気企業ランキング(2ー3月)」を発表した。

総合と各学校別、文理別のランキングですべて1位を制覇したのは、三菱商事という結果になった。また、全体的な傾向として、上位は伊藤忠商事や三井物産など総合商社や、野村総合研究所やアクセンチュアなど、コンサルティングファームとシンクタンクが占めている。

就職人気企業総合ランキング 上位は総合商社が占めるも コンサルティング業界が順位上げる

この調査は2024年卒予定の、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学の計12大学の大学生もしくは大学院生2102人を対象に、第一志望企業群(5社まで)をWEBアンケートで質問。有効回答には文系54.8%、理系42.5%、その他2.7%で、男女比は男性71.9%、女性28.1%となった。

さっそく、総合ランキング100社の順位を見てみよう。

まず、総合商社に注目して順位を見てみると、三菱商事が3年連続で1位に輝いた。文理の違いや男女差に関わらず、どの大学からも人気が高く、志望者の裾野が広がっている。

2位の伊藤忠商事は、非資源分野を筆頭にした好調な業績や、働き方改革など総合商社のイメージを覆すブランドが奏功した。前年度3位から2位にランクアップした。

3位の三井物産は、インターンシップを介した通年化採用など、積極的な採用が特徴だ。

続いて、メガバンクではどうか。三井住友銀行と三菱UFJ銀行は、トップ10以内と前年から引き続き、高い順位を維持した。ほかに、みずほフィナンシャルグループは27位から14位に、農林中央金庫は前年度31位から19位にランクアップ。日本政策投資銀行は16位から20位に順位を下げたものの、系統金融、政府系金融も人気を堅持している。

IT/通信企業では、楽天は12位から13位に。NTTデータは13位から11位に上昇、NTTドコモも34位から29位に上昇した。49位から33位に順位を上げたGoogleを筆頭に、年々、IT企業を志望する学生層が広がっている傾向がみられるという。

すでに選考が進んでいるコンサルティングファームの人気も根強い。野村総合研究所は5位から6位に、アクセンチュアは19位から10位にランクアップ、PwCコンサルティングは29位から14位に躍進し、ボストン コンサルティング グループも73位から22位へ、デロイト トーマツ コンサルティングは49位から24位に上昇するなど、大躍進した企業が多く並んだ。

運輸(陸運/海運/空運)では、JR東海が17位に、日本航空(JAL)が37位、日本郵船が40位、全日本航空が45位、JR東日本が68位、商船三井が71位、JR西日本が71位、になるという堅調に推移した。コロナ規制緩和により空運が日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)を中心に、復調している。

また、三菱地所(26位)、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(28位)、三井不動産(29位)、電通(40位)、東急不動産(79位)、森ビル(83位)などの不動産や広告は、ピーク時より人気が下降している傾向だった。

大学別の人気ランキングをチェック! 総合商社が相変わらずの人気見せるもメガバンク・インフラも健闘!

大学別で人気企業を見てみよう。その結果、東京大学の順位は1位が三菱商事、2位が伊藤忠商事、3位が三井物産、4位が住友商事、5位が丸紅とボストンコンサルティンググループ、7位が野村総合研究所、8位がマッキンゼー・アンド・カンパニー、9位が日本政策投資銀行とソニーグループとなった。

順位を上げた企業を見ると、伊藤忠商事が前年度3位から2位に、ボストンコンサルティンググループが15位から5位に躍進、マッキンゼー・アンド・カンパニーが25位から8位に順位を上げ、9位のソニーグループも13位から上昇した。

京都大学の順位は、1位が三菱商事、2位が三井物産、3位が伊藤忠商事と昨年度と順位は変わらなかった。4位は住友商事、5位は丸紅、6位が野村総合研究所、7位がボストンコンサルティンググループ、8位が三井住友銀行、9位がベイン・アンド・カンパニー、10位は5社あり、三菱UFJ銀行、PwCコンサルティング、Google、サントリーホールディング、日本郵船が入った。

順位を上げた企業を見ると、4位の住友商事が5位から上昇、5位の丸紅は14位から急上昇、7位のボストンコンサルティンググループは35位から、9位のベイン・アンド・カンパニーは53位から、10位の三菱UFJ銀行は18位から上昇、PwCコンサルティングは35位から上昇、Googleは53位から上昇、日本郵船は117位からランクを上げた。

早稲田大学のランキングでは、1位が三菱商事、2位が伊藤忠商事、3位が三井物産、4位が丸紅、5位が住友商事、6位が三井住友銀行、7位が三菱UFJ銀行、8位が野村総合研究所と楽天グループ、10位がNTTデータとなった。

大躍進した企業はあまり見られなかったが、順位を上げた企業を見ると、2位の伊藤忠商事が4位から上昇、4位の丸紅は9位から、8位の野村総合研究所は10位からの上昇となった。

慶応義塾大学の結果を見ると、1位が三菱商事、2位が伊藤忠商事、3位が三井物産、4位が住友商事、5位が丸紅、6位が三菱UFJ銀行、7位が野村総合研究所、8位が三井住友銀行、9位がみずほフォナンシャルグループと日本航空(JAL)となった。

ランクアップした企業は2位の伊藤忠商事が5位からランクアップ、4位の住友商事が7位から、5位の丸紅は8位からの上昇となった。9位では、みずほフィナンシャルグループが21位からの、日本航空(JAL)も67位からの大幅な上昇となっている。

各大学の傾向をみても、総合ランキングとは大きく変わらず、三菱商事や伊藤忠商事などの総合商社の人気が高かった。とりわけ東京大学と京都大学では、外資コンサルティングの人気が上昇している傾向がみられるかたちとなった。また、早稲田大学や慶應技術大学では、メガバンクが上位に入っている傾向が読みとれる。

文理別の人気ランキングをチェック! 文系は金融、広告、不動産 理系は研究職・技術職求める企業が人気か

さらに、文系と理系のランキングを見てみよう。

文系の順位は、1位三菱商事、2位伊藤忠商事、3位三井物産、4位住友商事、5位丸紅、6位三菱UFJ銀行、7位三井住友銀行、8位みずほフィナンシャルグループ、9位楽天グループ、10位日本政策投資銀行という結果になった。

理系のランキングでは、1位三菱商事、2位伊藤忠商事、3位三井物産、4位野村総合研究所、5位住友商事、6位ソニーグループ、7位丸紅、8位旭化成、9位サントリーホールディングス、10位NTTデータとなった。

文理別の傾向も、総合ランキングとあまり変わらず、総合商社とコンサルティングファーム・シンクタンクが人気のようだ。そんななかでも、文系は金融、広告、不動産が比較的で人気傾向で、理系は、文系と比較するとIT、食品・化学・電子電気・重機メーカー、インフラなど研究職・技術職を募集する企業が人気傾向となっているようだ。

同社では就活生のキャリアの考え方について、以下のように説明している。

「今年の就活生はスペシャリスト志向と所得に対する欲求が高く、逆にグローバル志向が下がっています。スペシャリストと所得は、会社を変えたとしても高所得とキャリアの安定性を求めたいという考えが表れています。逆にグローバル志向の低下は、コロナ禍で海外に興味をもつことができなかったといえます」

なお、同社では同調査を2011年から年4回実施し、過去の順位や傾向を過去調査から参照している。