陸上・田中希実「世界に通用する走りを」 米転戦からセイコーGGP参戦「楽しい気持ちが戻ってきた」
21日セイコーGGPへ会見
陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が21日、神奈川・日産スタジアムで行われる。20日は会場で一部選手が会見。東京五輪8位入賞の快挙を果たした女子1500メートルに出場する田中希実(New Balance)、昨年オレゴン世界陸上女子やり投げ銅メダルの北口榛花(JAL)、男子3000メートル障害日本記録保持者の三浦龍司(順大)が意気込みを語った。
この日の会見は一般ファンも見学する形で行われた。子どもたちが見守る中、3選手は拍手で迎えられて登壇。田中はレースに向けて状態を明かした。
「国内では数少ない国際レース。国内の選手はもちろん、海外からも来てくれている選手にもしっかり勝ち切れるよう、世界に通用する走りを目指してその上でタイムもついてきたらいいなと思う。ラストスパートは一番大事にしたい。ただ、そこで発揮するためにもスタミナ面が大事。最近は自分でも、皆さんからみても精彩を欠いていると思うので、もう一度初心に立ち戻って最初から最後まで駆け抜けるイメージを持ちながら最後までできれば」
4月からNew Balance所属となり、プロに転向。4月下旬から米国でレースを転戦し、合宿を経て国内レースに出場する。自身の持つ日本記録3分59秒19は、今大会出場選手の自己ベストで唯一の3分台。8月のブダペスト世界陸上の参加標準記録は4分03秒50だ。
「先日のアメリカでは2試合1500メートルで出場して、4日間2000メートル超の高地合宿をしました。順位もタイムも中途半端だったけど、レースに出場する感覚を得られて久しぶりに凄く楽しい気持ちが戻ってきた。レース戦術の下手さ、イメージトレーニングを詰めていなかった部分もある。乗り切れずに終わったので、今回はそこを生かして、帰ってきて御嶽山で高地トレーニングもしたので、その自信とアメリカでやってきたことを試して、トレーニングとレース結果がかみ合うようにできれば」
昨年オレゴン世界陸上は800メートル、1500メートル、5000メートルで日本人初の個人3種目に出場。2週間後に迫った日本選手権は1500メートルと5000メートルの2種目に絞り、世界を目指す。
「明日は走りに集中しないと。いかにリラックスして、国内だと日本選手権で優勝している私に合わせたレース、私が動かさないといけないところもある。海外選手がいればどこで動くかわからない部分もあるので、そこを視野に入れてやりたい」
北口、三浦もコメント
女子やり投げの北口は今季世界最高の64メートル50をマークするなど好調。ブダペスト世界陸上代表に内定している。自身の持つ66メートル00の日本記録更新の期待も高まる中、昨年世界陸上女王のケルシー・リー・バーバー(オーストラリア)らも出場。同大会銅メダルの北口は、ハイレベルな争いへ心境を語った。
「明日の試合ではここ2試合よりいい記録を出せるようにしたい。海外からもいい選手が来てくれているのでいい試合をしたい。この試合までの課題だったやりに全ての力を加えることを修正してきたつもり。少しでも試合でそれをできれば。私は海外選手と試合をするときに初めて自分が小さく見えて嬉しかった(笑)。緊張より、仲間に出会えた感じだった。私が高校生の時にトップだった選手と試合ができて嬉しい。常に海外選手と試合ができるのが嬉しいし、楽しいことだと思う」
三浦は今季1500メートルや5000メートルなどに出場。主戦場とする3000メートル障害は今季初レースだ。自身の持つ日本記録は8分09秒92。落ち着いた面持ちで本番を見据えた。
「しっかりこの一戦を大事にしたいし、世界陸上や様々な記録、大会を目指すうえで弾みにしたい。今季はまだ3000メートル障害の技術トレーニングはしていないので、今回の結果を踏まえて試行錯誤していきたいです。切れのある動きを自分の中で持てるようにしたい。自分が初めて海外選手と走ったのは公式戦だと東京五輪。恐れ知らずだった。海外選手と戦うマインドはあまりもっていなかった。世界陸上などで厚みを感じるので、そういう選手に肩を並べられるように実力をつけたい」
(THE ANSWER編集部)