10日午前の債券市場で、先物中心限月6月限は軟調。前週末の米長期債相場が7営業日ぶりに反落したことが影響し、国内債も売りが優勢だった。

 7日に米労働省が発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から23万6000人の増加とほぼ市場予想通りだった一方、失業率は3.5%と市場予想(3.6%)に比べて強い内容となった。これを受けた同日の米市場では景気減速懸念が和らぎ、東京市場でも安全資産とされる債券に売りが出やすかった。債券先物は一時147円45銭まで軟化したあとは下げ渋ったが、日銀の新総裁に就任した植田和男氏の発言などを見極めたいとして戻りは限定的だった。

 午前11時の先物6月限の終値は前週末比13銭安の147円53銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、前週末比0.005%上昇の0.460%で推移している。

出所:MINKABU PRESS