メッツ・千賀滉大【写真:ロイター】

写真拡大

登板前日に心境「1日前からスイッチを入れていたら疲れてしまう」

 メッツの千賀滉大投手がメジャーデビュー登板を翌日に控えた4月1日(日本時間2日)、敵地マイアミでのマーリンズ戦を前に取材に応じ、日米の報道陣に囲まれ憧れのマウンドに立つ心境を口にした。【木崎英夫】

「まだ全然自分の中でのスイッチみたいなのは入ってないので。まだスプリングトレーニングというかそんな感じです。今はまだそんなに心境に変化があるわけじゃないですけど、もう少ししたら変わってくるんじゃないかなと思います」

 オフにソフトバンクから海外FA権を行使して、5年総額7500万ドル(契約時のレート約102億円)の大型契約でメッツに移籍したが、早期の移籍が認められずに6年間待ち、海を渡った。

 待望の初登板を前にして実は、感情の高まりを落ち着けるための工夫が千賀にはある。

「1日前なので今から(スイッチを)入れていたらもう疲れてしまうので。入れないようにしているのもあるから。とりあえずは、楽しみが一番です」

開幕戦6回3失点のシャーザーの雄姿糧に「最高の準備を」

 キャンプ中盤に右手人差し指腱の炎症で、オープン戦の登板を1週飛ばすアクシデントに見舞われた。患部への負担を考慮したチーム方針から宝刀フォークボールを封印したが、最終調整となった3月28日(同29日)の紅白戦で投げ好感触を得ている。約6週間のキャンプで調整に大きな支障はなく準備万端でマイアミに入ってきた千賀は、2日前の開幕戦で6回を4安打3失点と粘投した敬愛する辣腕マックス・シャーザーの雄姿を明日の糧とする。

「あのクラスのピッチャーでもホームランを打たれるとかそういうこともあるって思うと、気を引き締めて最高の準備をしてマウンドに上がりたいなという気持ちです」

 メジャーデビュー戦は、日本時間3日午前2時40分開始のマーリンズとの開幕カード第4戦。日本にいる家族や友人らにとってもオンタイムでの観戦にはつらい時間帯である。見てもらうためにはどうするか? 地元記者の問いに千賀は「たくさん電話をかけてたたき起こします」と返し笑いを誘った。

 夢舞台での初陣に千賀滉大は気負わずに挑む。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)