「鶏皮」食べる? 捨てる? 実は“高カロリー”なだけじゃない! 管理栄養士に聞いてみた
鶏もも肉、鶏むね肉を買うと身の部分についていることの多い「鶏皮」。あなたは、この鶏皮を調理して食べますか。それとも、食べずに捨てますか。ネット上では、鶏皮について、「おいしい」「肉と一緒に加熱調理して食べる」「むしろ鶏皮だけ食べたいくらい好き」という人と、「脂肪だから食べない」「あの食感が苦手」「下処理のときに取り除いて捨てます」という人に分かれているようです。
食べるのか、それとも捨てるのか……鶏肉についている「鶏皮」はどうするのがよいのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。
調理法次第でカロリーカットも
Q.そもそも、「鶏皮」にはどんな栄養素が含まれているのですか。
岸さん「鶏皮1枚(約40グラム)は199キロカロリーで、タンパク質3.8グラム、脂質19.4グラムが含まれます。
身の部分と比較しても、ほぼ同じ種類の栄養素が含まれますが、身の部分よりも皮の部分に多く含まれるのはカロリーと脂質です。鶏もも肉100グラム当たりの『皮あり』と『皮なし』では84キロカロリーの差があり、皮を取り除くことで大幅にカロリーカットできます。
このように高カロリーな鶏皮ですが、身の部分よりは少ないものの、体にとって大切な栄養素も含みます。特筆すべき栄養素は、血液凝固に関わる『ビタミンK』、目や皮膚、粘膜の健康を保つ『ビタミンA』、そして3大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)の代謝に関与し、エネルギー産生を助ける『ナイアシン』です。
また、人体への有効性について十分に証明されているとはいえませんが、『コラーゲン』は皮膚や関節の健康を保つ可能性が期待されています。鶏皮はコラーゲンを多く含むので、コラーゲンを摂取したい人にとってはうれしい食材です」
Q.鶏皮について、「食べる」人と「食べない(捨てる)」という人に分かれるようですが、ずばり、この部分は本来どうするのがよいのでしょうか。
岸さん「食べるか食べないかは、その人次第でよいと思います。鶏皮の特徴でもある脂質量が気になる人、減量やダイエットをしている人なら、食べない方がぐんとカロリーカットできます。一方で、鶏本来のうまみを楽しみたい人や、鶏皮に含まれるビタミンなどの栄養素を摂取したい人、食材そのものを残したくない人もいるので、どちらの食べ方にも制限はありません。
ただ、『鶏皮は太る』『体に悪い』と決めつけてしまうのはよくないと思います。太る原因は鶏皮のみでなく、全体の食事バランスや生活習慣の問題なので、鶏皮を食べるメリットもデメリットも知り、『太る』『体に悪い』食べ方をしないことが大切ですね」
Q.鶏皮をおいしく食べるための調理法とは。
岸さん「鶏皮を多めのお湯で15分程度ゆでて油抜きをしたり、フライパンでパリパリになるまで焼いたりすると、うまみや栄養素はさほど変わらずにカロリーがカットでき、鶏の臭みも取ることができます。
鶏皮は平らに伸ばしてラップで包めば、冷凍保存することも可能です。鶏の脂質はうまみが多く、満足感やおなかを満たすことにもつながるので、上手に活用しましょう」