明るい未来、という表現はやや陳腐だが、2022年はコロナ禍を踏まえて次のフェーズに進む「新たな1年」になると、誰もが考えていたのではないだろうか。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界的な景気低迷とそれに伴う広告・メディア支出の混乱など、波乱に満ちた1年となった。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2023」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに、2022年をどのように受け止め、2023年にどのような可能性を見出し、新たな一年を切り開いていこうとしているのか伺った。株式会社小学館にて、広告局シニアマネージャー兼デジタル広告開発室 室長を務める伊藤真嗣氏の回答は以下のとおりだ。

――2022年を象徴するトピック、キーワードを教えてください。

2022年を象徴するキーワードは「milestone」です。弊社は今年、創立100年を迎えました。また30年ぶりに新社長が就任、とまさに「節目」の年となりました。新たなプロジェクトとしては、メタバース「S-PACE(スペース)」を公開。NFTの要素を取り入れたデジタルコンテンツストア「CLOUDEAR(クラウディア)」を開始しました。広告ビジネスにおいては、これまで組織上ひとつのグループとなっていた、デジタル広告の担当者を局の各部署に配置し、総力でデジタルに向き合う体制としました。こちらも一つの「節目」と考えています。

――2022年にもっとも大きなハードルとなった事象は何でしたか?

ヨーロッパの政情不安、円安といった外的な要因がクライアントのマーケティング活動、ひいては我々のマネタイズに大きく影響しました。

――2023年に必ず取り組むべきだと考えていることは何ですか?

必ず取り組む、というよりはマーケットの変化に迅速に対応していきたい、と考えています。2023年、サードパーティCookieに変わるテクノロジーが出てくると思われますが、何がスタンダードとなるのか状況を注視しています。また、本年より取り組んでいるBtoBマーケティングについても、注力していきます。

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