京成杯オータムハンデは今年も荒れる。穴党記者が「楽しみ」という2頭で高配当ゲットへ
秋競馬がいよいよ開幕。中山競馬場の開幕週には、サマーマイルシリーズの最終戦でもあるGIII京成杯オータムハンデ(9月11日/中山・芝1600m)が行なわれる。
2015年には3連単で200万円超えとなる高額配当が飛び出し、昨年も3連単で20万円超えの高配当をつけるなど、波乱の多い一戦として知られる。実際、過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、3着1回とやや苦戦。実績あるトップハンデ馬に至っては一度も勝っておらず、馬券圏内(3着以内)に入ったのも2着が2回、3着が1回あるだけだ。
そして、今年もそんな波乱の傾向に変化はなさそう。下馬評が高いのは、今年に入って2着、3着、3着と安定した成績を残しているダーリントンホール(牡5歳)、GIII中京記念(3着。7月24日/小倉・芝1800m)で1番人気に推されたファルコニア(牡5歳)、同レースを制したベレヌス(牡5歳)に、今回と同じ中山のマイル重賞・GIIIターコイズS(12月18日)を勝っているミスニューヨーク(牝5歳)あたりだが、いずれも一長一短あって、絶対的な信頼は置けないからだ。
また、これら人気馬は実績よりもややハンデを背負わされた印象がある。さらに、「先週のGIII新潟記念では、サマー2000シリーズ優勝の権利を持った馬たちが皆、凡走。シリーズ王者なし、という結果に終わりました」と、日刊スポーツの木南友輔記者。そういった流れからして、ここも"大荒れ"の可能性が大いにある。例年以上に、ひと筋縄とはいかないレースとなりそうだ。
そうした状況にあって、木南記者は2頭の穴馬候補を挙げた。
「1頭目は、オルフェーヴル産駒で先行力があり、じわじわと脚を使うタイプというイメージがあるクリノプレミアム(牝5歳)です。昨夏の新潟で3勝クラスの長岡S(新潟・芝1600m)を勝った時は、その強さに驚かされました。上がりが速くなる新潟・外回りのレースで、ハナをきってそのまま快勝。末脚秘めるエアファンディタ(2着)を封じたことは評価できます。
京成杯オータムハンデでの大駆けが期待されるクリノプレミアム
その後はどこかで狙いたいと思っていて、GIII中山牝馬S(3月12日/中山・1800m)で重い印を打ったのですが、大外枠に入ったことで本命にしきれずに悔しい思いをしました。同レースでは15番人気ながら、直線に入って大外から見事な差しきり勝ちを決めましたからね。
続くGIII福島牝馬S(4月23日/福島・芝1800m)でも、好位から強い競馬を披露。◎を打って、6番人気ながら2着と好走してくれました。ただ、レースの翌週に鞍上の松岡正海騎手に話を聞くと、『僕の仕掛けが早すぎた』とすごく悔んでいました。
前走のGIヴィクトリアマイル(5月15日/東京・芝1600m)では16着と惨敗しましたが、最初のコーナーでごちゃつきました。この馬だけが加害馬のような見られ方もしているようですが、クリノプレミアムも他馬の動きに影響を受けていました。
今回はそのレース以来となりますが、1週前はウッドコースで好時計を出しています。54kgのハンデもそれほど気になりません。松岡騎手の手綱さばきに期待しています」
木南記者が推奨するもう1頭は、インテンスライト(牡6歳)だ。
「言わずと知れた中山・マイル巧者(8戦3勝、2着2回、3着1回)。2走前のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(4月2日/中山・芝1600m)は6着に終わりましたが、これは直線で少し狭くなるシーンがあってのものでした。スムーズなら、と思わせる内容でした。
前走のオープン特別・メイS(5着。5月21日/東京・芝1800m)は、まさに東京を舞台とした力勝負の一戦。内に潜り込む形が結果的には響きました。荒れた内を走って、スローペースでキレ負けしたことが敗因でしょう。それでいて、勝ち馬からはコンマ4秒差。この負けも悲観する必要はないと思います。
今回は乗り慣れた菊沢一樹騎手に戻りますし、2走前と同じハンデ54kg。今年のメンバー構成であれば、十分に好勝負できると踏んでいます」
波乱必至のハンデ重賞。木南記者が「楽しみにしている」と言って、ここで名前を挙げた2頭が大駆けを果たしても不思議ではない。