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プレミアムレンタカーは儲かる?

レンタカー・ビジネスの1つに、プレミアムカーというジャンルがある。

【画像】こんなクルマも?【レンタルできるプレミアムカー5選】 全212枚

メルセデス・ベンツやBMWといった輸入高級車やポルシェなどの高額なスポーツカー、そして日本車であればレクサスなどの、プレミアムなクルマレンタカーとして提供するビジネスだ。


プレミアムカーを取り扱うレンタカーは大都市圏に多く存在    タステック・レンタリース

当然、貸し出しの価格は高くなる。1日で数万円どころか、数時間で数万円になることもある。

しかし、実際にクルマをオーナーとして購入することを考えれば、その利用料金は非常にリーズナブルだ。

そうしたプレミアムカーをレンタルする業者は、大手から中小まで幅広く存在する。

例えばニッポンレンタカーは、ヤナセと組んで、関東、関西、北海道、沖縄にて、プレミアムカーのレンタルを展開している。

レンタカー全体としては北海道や沖縄などのレジャー地の台数が多いようだが、プレミアムカーに関しては、東京や大阪などの都市圏に多くの企業が存在している。

一方で、プレミアムカーのレンタルが苦戦しているという調査もある。

「J.D.パワー2019年レンタカーサービス顧客満足度調査」によると、プレミアムカーの利用は、「全体の2%と非常に少ない」というのだ。

しかも「利用者の満足度は総じて低く、利用したレンタカー会社に対する今後の継続利用意向や他者推奨意向も低い傾向にある」という。

満足度の低い理由としては「1日で数万円ともなる高額な料金のため、顧客側の期待値が自然と高くなり、店舗での画一的なオペレーションと顧客が期待する『プレミアムなサービス』との間にギャップが生まれている」と推測されている。

プレミアムカーを借りるのだから、対応もプレミアムであることが求められるということだ。

B to Bという意外なニーズ

では、プレミアムカーのレンタルは将来性ゼロなのか、といえば、そうとも言えない。

なぜなら、苦戦していると言われながらも、現在もプレミアムカーレンタルは継続されているからだ。


高級車の販売会社や損害保険会社の利用も    タステック・レンタリース

では、どこにニーズがあるのか。

それは、プレミアムカーレンタルを実施している会社のホームページにヒントがある。

レンタカーを提供する会社のホームページを見ると、あることに気づく。

それが「法人需要」だ。

エンドユーザーではなく、B to Bのニーズがあるようなのだ。

たとえばオリックスレンタカーも輸入車や高級車のレンタカーを用意する。

しかし、その提供先は、はっきりと「法人のお客さまへ」と明記されており、しかも長期でのレンタルが中心だ。

用途は「社用車・役員車」、「TV・CM・イベント撮影用」、「劇用車として」、「試乗・他車比較用に」とある。

また、とあるレンタカーのホームページにある取引先には、販売会社の名前がズラリと並ぶ。

つまり、高級車の販売会社が、ライバルのクルマを比較するために借りるというわけだ。

さらに取引先企業の中には損害保険会社の名前もある。

その使い道は「代車」だ。

何の代車かといえば、交通事故の代車である。

プレミアムカーのオーナーが、交通事故に遭ったときに使うのが、安い国産コンパクトカーでは不満が出るのだろう。

事故の相手方に代車を用意する場合、使用する必要性と目的が認められれば、事故車両と同等クラスが使用できるという裁判例もある。

そうしたケースで、損害保険会社が手配するのがプレミアムなレンタカーとなるわけだ。

世界最先端のクルマを研究用に

こうした法人需要向けで、面白いのが「調査・研究開発用」だ。

なんと、調査や研究開発用として自動車メーカーやサプライヤー向けに、最新のプレミアムカーを貸し出すというのだ。


長期利用であれば管理の手間も減る    オリックスレンタカー関西株式会社

もちろん、法人向けの長期での貸し出しは、1日あたりの料金は通常よりも割安になっている。

しかし、法人向けで、しかも長期での貸し出しは、メリットが多いだろう。

観光客に単発で貸すとなれば、予約システムや管理、クルマの清掃やメンテナンスなどの手間もかかる。

最初に紹介したように、プレミアムの対応を用意するのも大変だ。

一方、法人向けで、しかも長期の貸し出しであれば、そうした手間がかからない。

つまり人件費を抑えることができる。

契約が長くなるほどに、管理の手間の差は大きくなるというわけだ。

苦戦しているという調査もあったが、調べてみればプレミアムカーのレンタルのニーズは以外にも幅広い。だからこそ、低くあっても、静かに根強くビジネスは続くのではないだろうか。