既存の「フレッチア」装輪装甲車よりも性能がアップ!

エンジン出力や発展性などが改善されたアップグレード型

 イタリアの航空宇宙企業であるレオナルド社は2022年1月17日(月)、軍用車両を製造するイヴェコ・オトー・メラーラ・コンソーシアム(CIO)が、イタリア陸軍と装輪式装甲車「VBM PLUS」の納入契約を結んだと発表しました。

 契約は2021年12月30日に同国国防省陸軍総局で交わされたとのことで、その内容は自走迫撃砲型が14両、指揮車型が26両、そして10輪式(10×10)の装甲回収車型が6両だそう。なお、指揮車型26両のうち、砲塔を搭載し、歩兵戦闘車に似た外観を有する戦術ユニット型と、砲塔のないコマンドユニット型が半数ずつ、各13両としています。


8輪式の装輪装甲車「VBM PLUS」の戦術ユニット型(画像:イヴェコ・オトー・メラーラ・コンソーシアム)。

 VBM PLUSは、イタリアが独自開発したチェンタウロ戦闘偵察車の派生型として開発された8輪式の装甲車です。2006年に最初の調達契約が結ばれて以降、330両がイタリア陸軍に納入・配備されています。

 2020年には300両の追加調達が計画されており、今回、契約された46両はそれに基づくもののようです。

 VBMには、「フレッチア」という愛称も付けられているものの、今回の46両は細かな改良が加えられ性能が向上していることから、「PLUS」という単語が付与されているとのこと。具体的には、エンジンの燃料噴射システムがコモンレール化され、出力が従来型の550馬力から660馬力にアップしています。また、将来の新型電動トラクションシステムやドライブトレインへの換装に備えた構造にあらかじめなっているとのことで、既存のVBMと比較して最大15%の発展性を有しているといいます。

 ほかにも新型の射撃統制システムを備え、照準捜索システムも最新型に更新されているそう。なお、派生型である10輪式の装甲回収車型は出力680馬力の新型エンジンを搭載し、その牽引回収能力は最大32tもあるとのことでした。