イギリスのケント大学とスタッフォードシャー大学の研究者が行った調査で、「陰謀論を信じること」と「犯罪行動」との間に関連があることが示されています。

Belief in conspiracy theories and intentions to engage in everyday crime - Jolley - 2019 - British Journal of Social Psychology - Wiley Online Library

https://doi.org/10.1111/bjso.12311



There's a Troubling Link Between Believing Conspiracy Theories And Petty Crime

https://www.sciencealert.com/does-believing-conspiracies-make-people-want-to-commit-petty-crime

ケント大学の心理学者カレン・ダグラス氏らは、253人の実験協力者に対して、「政府は国民から情報を隠す」など陰謀一般に対する見解と、「ダイアナ妃は権力者によって暗殺された」などの特定の陰謀論を信じるかどうかについての質問を行いました。また、ささいな犯罪を犯す可能性についての質問も行いました。

この調査では、「陰謀論を信じる」人は、ささいな犯罪行動を起こす可能性があることが示されました。ただし、「陰謀論を信じる」という信念が犯罪を引き起こしているわけではなく、単に、2つの事柄が関連していることが示されているものであるという点には注意が必要です。

研究チームは、さらに120人を対象に追加調査を行いました。調査自体は最初の内容と同様ですが、60人は途中で陰謀論的な記事を読み、残り半分は対照群として記事を読みませんでした。

その結果、陰謀論の記事に触れた人々は、今後、犯罪に関与しようとする意図が、対照群に比べて顕著に高かったことがわかりました。

研究チームは「陰謀論を信じることで、社会への帰属意識も変化するのではないか」と推測。研究が深まることで、陰謀に傾倒している人々を救うための方法が得られるかもしれないと期待されています。