リーグ戦のちょうど半ばへと差し掛かったブンデスリーガ第17節時点において、ボルシア・ドルトムントは既に今季6敗目を早くも喫した。開幕前にはリーグ制覇という大きな野心をもって臨みながらも、いまではチャンピオンズリーグ出場権獲得さえ危険な状況へと晒され始めている。

 エディン・テルジッチ監督がただ手をこまねいて見ているだけとは、批判することはできないだろう。火曜夜に行われたレヴァークーゼン戦においても彼は90分間に渡って、サイドラインで精力的に手を叩き、第4審判員や相手ベンチとも口論になるほどエキサイトしながら指示出しを行なっていたのだ。しかしながら肝心の選手たちの方はというと、試合の大半においてその精力性が十分に見られていたとは言い難い。

 CL出場権を争う3位との直接対決であるにも関わらず、ドルトムントはまたしても試合の大半で対人戦における激しさに欠け、守備面での安定感に欠け、パスゲームでの集中力に欠け、スペース配分でのストラクチャーに欠け、プレスでの呼吸も合わず、さらに今に始まったことではないがコンスタントさや姿勢といった部分でも物足りなさが見て取れた。

 「能力と精神力によって結果が導き出されるもの。今日の我々はあまりに能力へと依存しすぎており、十分に戦いへと挑まず、カウンターへの対応もまた十分ではなかった。」と指揮官は苦言を呈しており、特に2失点目を決められた後では選手たちは意気消沈。ロスタイムであってもドルトムントが攻勢へと転じる様は見られずにいる。

 確かに後半の立ち上がりからはドルトムントが押す時間帯も訪れており、逆に試合を決定づける勢いさえあったのだが、ゴールネットを揺らすことは叶わず、不意に決勝弾をカウンターから決められてしまう結果に。こういった気まぐれさは前任者ルシアン・ファヴレ監督からも見受けられており、先月中旬から就任したエディン・テルジッチ監督には、そういった勇気をチームへともたらすことが期待されていうものの、ここまで6試合では3勝1分2敗。これは2007年以来となる低調な船出だ。

 つまり現状においては主将ロイスが口にしたように、首位のバイエルンなどを見ている場合などではなく、むしろこのままの戦いぶりをみせているとチャンピオンズリーグ出場権獲得さえ不安へと晒されることに。「金曜のグラードバッハ戦では、90分に渡ってトップパフォーマンスをみせていかなくてはならないよ」と、ミヒャエル・ツォルクSDは強調。今後を占うと見ていた1月の戦いも、出だしで2勝をおさめ順調にも見えたが、17位マインツとドロー。そしてレヴァークーゼンとの直接対決では返り討ちへと遭っている。