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 澤村、鳥谷、チェン・ウェインの去就は…。パ・リーグのクライマックスシリーズ(以下=CS)に敗退し、千葉ロッテはさらなるチーム強化に乗り出す。井口資仁監督は“鬼”に成り切れないかもしれない。

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 「CSの舞台となったペイペイドームのネット裏には、メジャーリーグの関係者も来ていました。米スカウトではなく、日本国内で契約しているスポーツマネジメント会社のスタッフでしたが」(地元メディア)

 お目当ては澤村拓一投手だ。9月に千葉ロッテに移籍して以降、強気のストレートが蘇り、150キロ台のフォークボールがメジャースカウトの目にも留まった。すでに海外FA権を取得していることから、米メディアも「お手頃価格」として、千葉ロッテ移籍後の活躍を伝えていた。

 CS第2戦後、澤村は「悔しい気持ちしかない」と敗戦を悔やんでいた。そのコメントから、“完全に千葉ロッテの一員”になったとも捉えることもできたが、こんな情報も聞かれた。

 「今年に入り、澤村はスポーツマネジメント会社と契約しています。その会社にはロッテの吉井理人投手コーチもいます。メジャー移籍のための準備であり、千葉ロッテ移籍もそのルートが絡んでいたと思われます」(球界関係者)

 また、残留か否かで情報が錯綜しているのが、鳥谷敬内野手だ。新型コロナウイルスに感染してチームを離れてしまったこともあるが、出場試合数は42。打率1割3分9厘、打点6は物足りない数字だ。“元身内の関係系メディア”は「来季も!」と現役続行を伝えていたが、CS終了後の第一声は「球団がどういう風に考えているかが分からない」だった。額面通りに捉えれば、鳥谷自身と球団は「来季の話」を全く交わしていないことになるが…。

 パ・リーグに詳しいプロ野球解説者がこう言う。

 「CSの敗因は、打線です。チーム打率が12球団ワーストではソフトバンクの投手陣を打ち崩せません。外国人選手を含め、『打撃力優先』の補強をしないと、来季は厳しい」

 鳥谷の打率は1割台。残留は難しいというわけだ。もっとも、12球団ワーストの打率でもCS進出を果たせた勝因だが、投手の継投策に尽きる。「唐川、ハーマン、益田」と繋いでいく勝利の方程式が出来上がり、それを補う澤村の存在も大きかった。

 澤村のメジャー移籍志望を分かっていて途中加入させたようだが、やはり、慰留の説得は行うべきだろう。打撃面の強化は投手陣の安定が大前提だ。

 「ロッテ打線はバントを1回で決められない、得点圏に走者を進めても、『あと1本』が出ないという拙攻が目立ちます。攻撃面での参謀が悪いのか、それとも、井口監督の采配に原因があるのか、内々に調査されていた時期がありました」(前出・関係者)

 先発のコマ不足を補うためにシーズン終盤で獲得したチェン・ウェインは、メジャー復帰を第一希望としているそうだ。

 逆転優勝を懸け、終盤戦で緊急補強した澤村、チェン。そして、若い野手陣をサポートするために獲得したベテランの鳥谷の去就が気になる。優勝を狙うチームに進化させるのなら、井口監督は自身の采配を含め、冷静に補強ポイントを整理しなければならないだろう。(スポーツライター・飯山満)