ラニエリ監督も吉田に対して厚い信頼を抱いているようだ。(C)Getty Images

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 新シーズンのセリエA開幕まで約10日。日本代表の吉田麻也は、サンプドリアでその立場を、ますます確かなものとしているようだ。

 昨シーズン途中にイングランド1部サウサンプトンから加入した吉田は、クラウディオ・ラニエリ監督の信頼を得て、新型コロナウイルスによるロックダウン後の全試合に出場。新シーズンも守備陣のレギュラーとして活躍が期待されている。

 先日のプレシーズンマッチでは、本職ではない中盤でも起用されたことが報じられた。9月9日、サンプドリア専門サイト『Sampnews24』は、「すべてをやるサムライ。ラニエリは彼をプロジェクトの中心に据える」と、マルチな能力も示した吉田に賛辞を寄せた。

「ヨシダはサンプドリア守備陣の柱となった。ラニエリは彼に守備の鍵を預けた。だが、それだけではない。直近のフレンドリーマッチではユーティリティー性も分かった。中盤でも問題なくプレーした」

 さらに、その存在はチームにとって欠かせないものであるとも評している。

「国際経験、パーソナリティー、チームに役立つガッツ。彼は守備陣に確かなものを与えることができる。MFを増やす必要があるときには、有益なジョーカーにもなり得る。サンプドリアは確信している。ヨシダは確かな存在だと」

 練習試合での中盤起用は、代表選手の不在などチーム状況にもよるもので、吉田が本来のCBでプレーする見込みは変わらない。ただ、指揮官や地元メディアの評価が右肩上がりなのは、サンプドリアにおける吉田の存在感が高まっている表われと言えるだろう。

 今シーズンはボローニャの冨安健洋も本職のCBにコンバートされている。日本代表の最終ラインを支える吉田と冨安、ふたりの守備の国イタリアでのパフォーマンスから目が離せない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部