DF熊谷紗希が欧州CLの5連覇に貢献

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[8.30 欧州女子CL決勝 ボルフスブルク1-3リヨン]

 UEFA女子チャンピオンズリーグの決勝が30日に行われた。リヨン(フランス)はボルフスブルク(ドイツ)に3ー1で勝利し、前人未踏の5連覇を達成。日本女子代表(なでしこジャパン)のDF熊谷紗希はフル出場で、前半43分にはチーム2点目を決めた。

 2015-16シーズンから欧州CL連覇を続けるリヨンは、今季もリーグタイトルとフランス女子カップの2冠を達成済み。熊谷は最強クラブの主力として名を連ね、欧州CLでもここまで6試合中5試合にフル出場。この試合でも先発出場した。

 熊谷はなでしこジャパンのときと異なり、ポジションは中盤のアンカーポジション。187cmのフランス女子代表DFワンディ・ルナールと、170cmのカナダ女子代表DFカデイシャ・ブキャナンの2人が4バックの2CBに配置されているため、広範囲を動ける熊谷は攻守の要の役割を担った。

 リヨンの圧倒的な攻撃力に対し、ボルフスブルクはカウンターで一発を狙う。試合が動いたのは前半25分。リヨンはMFジェニファー・マロジャンが右サイドから折り返し、MFデルフィーヌ・カスカリーノがPA右からマイナス方向にさらに折り返す。最後はFWウジェニー・ルソメが2度シュートを放ち、先制ゴールを決め切った。

 熊谷は隙を見て前線に上がり、攻撃に参加していく。前半34分にはPA手前でボールを受けると、相手選手を体で跳ね返しながら右サイドにパスを送り、チャンスを創出。そして同43分、29歳の日本人MFがゴールネットを揺らす。混戦からMFアメル・マイリがPA手前にこぼすも、待ち構えた熊谷が左足ミドル。ゴール右隅に突き刺し、2-0と点差を広げた。

 前半を2-0で折り返したリヨンだが、後半から少しずつボルフスブルクの反撃に遭う。そして後半12分に失点。右サイドを打開され、一時はGKサラ・ブアディが防ぐも、最後はFWアレクサンドラ・ポップに押し込まれ、2-1と点差を縮められた。

 ボルフスブルクは前線3枚を熊谷の周囲に配置し、リヨンのボール保持時の動きを封印。リヨンは中盤でボールを運びにくくなり、ペースを相手に奪われてしまう。

 リヨンはボルフスブルクの猛攻を受けるが、最後まで粘りの守備で奮闘する。そして最後にはMFサラ・ビョルクがダメ押しの3点目を挙げ、3-1で勝利が決定。史上初となる欧州CLの5連覇を成し遂げた。