長らくチームを離れていた中島について、口を開いたマルチェシン。(C)Getty Images

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 今シーズン、2年ぶりにポルトガル・リーグを制したポルト。しかし、7月20日に行なわれた優勝セレモニーに、中島翔哉は姿を見せなかった。

 この一件で「1年で退団するのでは」とまで憶測が広がったが、ポルトのピンド・ダ・コスタ会長が現地紙の取材で中島の放出をきっぱりと否定。その後、ポルトガル紙『Record』は、8月初旬に「ポルトのスタッフやチームメイトに説明する場が設けられた。ナカジマは自身の不在について説明し、理解を得られたようだ」と報じていた。

 そして17日、今度はこの件について初めて、チームメイトが口を開いた。『Record』のインタビューに応じた守護神アグスティン・マルチェシンは、リーグ制覇やチームメイトについて語るなかで、中島の“不在”について、このように述べている。

「異なる文化から来て、言葉も簡単ではなく、生まれたばかりの子どもがいる。説明が難しいことは分かっていたが、僕らは雇われた労働者でもある。クラブのために働くことは義務だ。だから、難しい問題だった。僕が語れることは多くはない…」

 だが、再び中島をチームに迎え入れることについては「何も問題はない」という。

「彼は家族のためを思ってしたことだ。僕らになにかをしたわけじゃない。いくら労働者だとしても、家族は重要であり、彼やみんなにとって大切なもの。職場に来る義務はあっても、こんな(コロナ禍の)状況で異国に住むことは簡単じゃないと理解しているし、理解しなければならないとも思うよ。ただ変わらないことは、僕らにはナカが必要だし、彼は僕たちにとって重要な存在になると思っている」

 とはいえ、ピッチ上での信頼を取り戻すことは簡単ではないだろう。同紙によれば中島は家族と共に一時的に帰国したようだが、ポルトは8月24日から来シーズンに向けて始動すると見られる。

 その頃には、チームの輪に戻った背番号10の姿が見られるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部