中国メディアは、長江流域で水害が深刻化していることに対し、中国国外のネット上では「三峡ダムは洪水を防ぐ能力があるのか」、「三峡ダムは本当に変形しているのか」などの「疑問の声」があがっていると伝えつつ、こうした疑問に対する「答え」を紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国最長の河川である「長江」の中流域にある「三峡ダム」が崩壊するのではないかという懸念が存在する。三峡ダムはかねてより「変形しているのではないか」という疑念が存在したが、長江流域に大雨が続いたことで改めて崩壊論が浮上した形だ。

 中国メディアの騰訊は27日、長江流域で水害が深刻化していることに対し、中国国外のネット上では「三峡ダムは洪水を防ぐ能力があるのか」、「三峡ダムは本当に変形しているのか」などの「疑問の声」があがっていると伝えつつ、こうした疑問に対する「答え」を紹介する記事を掲載した。

 三峡ダムは1993年に建設が始まり、2009年に完成した世界最大の水力発電ダムだ。ダムの高さにあたる堤高は185メートルに達し、総貯水容量は393億立方メートルに達する。

 記事はまず「中国最長であり、世界でも3番目に長い河川である長江の水量は莫大」であると指摘し、三峡ダムは水力発電を行うことだけが目的のダムではなく、最大の存在目的は長江による水害を防ぐことにあると指摘。三峡ダムの完成前には深刻な水害がたびたび発生してきたとし、特に1998年には深刻な大洪水が発生したと指摘する一方、三峡ダムの完成によって98年の大洪水のようなリスクは大幅に減少したと主張した。

 続けて、三峡ダムが変形しているという懸念については「三峡ダムは1000年に1度の洪水ですら崩壊することはない」、「10万トンクラスの核兵器による衝撃波ですら持ちこたえる」と主張し、変形については「完全に心配無用」であると断言、崩壊する危険性もないと主張した。

 中国のメディアや有識者は「三峡ダムが崩壊するのではないか」という主張はデマであると断定しており、簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)などでも、中国人ネットユーザーからは「三峡ダムの崩壊論はデマであり、デマは信じず、広めずが正しい」、「変形は正常の範囲なのだから崩壊するはずがない」などと、公式発表を信じて疑うべきではないといった声があがっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)