出る杭にはなりたくない。でも身内で小さく「バズり」たい?!

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 いつの世もオトナたちにとって「最近の若いやつ」はよくわからないものですが、近年ますます若者の採用やマネジメントは難しくなっています。

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・パワハラが気になって指導しにくい。
・じっくり話したいけど飲みに誘っていいかわからない。
・何がモチベーションかわからない。
・優秀な人ほど急に辞めてしまう。

職場のオトナたちからは、こんな悩みの声が尽きません。

最近の若者たちは、いったい何が不満で、何を望んでいるのでしょうか?本企画では、ツナグ働き方研究所所長・平賀の著書『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』から、若者の職場での生態を表す20のキーワードを紹介。彼らの労働観や仕事に対する考え方を解き明かしていきます。

あなたの職場の若者は、どのキーワードに当てはまるでしょうか!?

出る杭にはなりたくない。でも身内で小さく「バズり」たい

SNSの発達が、若者に過剰な忖度のメンタリティを植え付けたことは間違いありません。しかし、その前提にあるのは、SNSの登場により個人の表現の場や、情報発信の機会が急激に広がったことです。

スマホで動画を撮影してインスタグラムやツイッターにアップするくらいは、もはや若者の日常です。そうしたメンタリティは、教室で目立とうとしてちょっと悪ふざけをするのと変わりません。要は注目されたいという欲求の表れで、その舞台がSNSへと移行しただけです。

一方で、やはり忖度のメンタリティがあります。つまり目立ちたいけど目立ちすぎるのはリスク。先ほど紹介した「#セルフツッコミディフェンス」や「#カモフラージュ癖」の思考です。でもやっぱちょっとは目立ちたい。この葛藤の中で若者は揺れているのです。そして自意識が勝ってしまったとき、バズりたい表現がチラリと顔をのぞかせます。しかし悪目立ちするわけにはいきません。小さなコミュニティの中で小さく「バズる」のが、ちょうどいいのです。バイトテロにしても、最初からあんなにバズるとは思っていません。友達にちょっと面白いと言ってもらいたいだけです。

あるマネージャー(36歳)が「若手は営業表彰されるのが嫌い」だと話してくれました。「出る杭」は打たれやすく、陰でどうこう言われるのが面倒だからだそうです。身内で褒めてくれればいい。それがイマドキの感覚のようです。活躍にスポットライトを当てることができない。なかなか大変な世に中になってきました。

[文:ツナグ働き方研究所]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

平賀充記(ひらが・あつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナググループ・ホールディングス エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)。