「フェイスブックで誕生日祝う人」が問題なワケ

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誕生日を祝うメッセージについて、あなたはどう思いますか?(写真:bombuscreative/iStock)

今やフェイスブックはビジネスパーソンには欠かせないコミュニケーションツールである。しかし、使い方を誤ると、「仕事ができない人」と烙印を押され、即座にブロックされる危険性がある。知らずにやっているケースもあるので、最低限のマナーは押さえておきたい。

そこで、本稿では、日本マイクロソフト元社長の成毛眞氏の実体験より、まねしてはいけないフェイスブックの“痛い投稿例”をご紹介する(本稿は、成毛眞箸『一秒で捨てろ!』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです)。

誕生日メッセージを送る人は「即ブロック」

私は損得で人付き合いしない性格だ。当然、打算的に人と付き合おうとする人も大嫌いである。

私の場合、日本マイクロソフトの社長をしたり、書評サイトを運営していたり、何冊も書籍を出したりしているので、それなりに力のある人間だと思われているらしい。だから、「つながっておけば、何か利用できるのではないか」と考えて、近づいてくる人も少なくないのだが、そういう人を見ると、むしずが走る。最近だと、SNS経由で近づこうとするやからが非常に多い。

私はフェイスブックを中心にしているが、1回しか会ったことのない人や、まったく会ったことがない人からの友達申請が引きも切らずやってくる。しかし、友達になることはほとんどない。そういう人を友達にしても、楽しいことは何もないからだ。面倒くさいことや不快なことばかり起こるようになる。

不愉快ということで言うと、その最たるものは、フェイスブックの「誕生日おめでとう」メッセージだ。

フェイスブックをしている人は、誕生日に「おめでとう」メッセージをもらったことがあるだろうし、送っている人もいるかもしれない。しかし、このやり取りのほとんどが不毛なものに思えて仕方ない。極めて打算的なコミュニケーションにしか見えないからだ。意地悪な見方かもしれないが、心から「おめでとう」と思って送っている人が、はたしてどれだけいるだろうか。

大概の場合は、「今日は○○さんの誕生日です」とフェイスブックが自動的に教えてくれるのを見て、反射的に送っているだけではないか。顔も名前も一致しない人に、「おめでとう」と言っている人も多いのではないかと思う。それで親しくなることがどれぐらいあるのかは、甚だ疑問だ。

フェイスブックでは、友達の誕生日に「おめでとうございます」のメッセージを送ると、ほかの人も読むことができるが、はっきり言って、自分はいかにつまらない人間かということを何千、何万人にさらす最高の方法だと思う。

イヤな感じの投稿をする人は速効ブロック

一方、メッセージに対して、「ありがとう」と返信する人もいる。本当は「面倒くせえ」「誰だよ、こいつ」と思っている人もいそうだが、無視していると、失礼だとか、変なやつだと思われるのが嫌だから、当たり障りのない返信をするわけだ。

先日も、フェイスブックを見ていたら、誰かが「1人ひとりにお礼のメッセージをこれから書きます」と書き込んでいたが、よほど暇なんだな、とあきれてしまった。

私はこういうバカげたやり取りをしたくないので、フェイスブック上では、誕生日を公開していない。わかりさえしなければ、メッセージが来ることはないからだ。見ているほうも、恋人でもない人の誕生日など気にしない。その証拠に、フェイスブック上で誕生日を聞かれたことは1度もない。

誕生日メッセージに限らず、フェイスブックでは不愉快な思いをしたくないので、イヤな感じの投稿をする人や頭が悪そうだと感じる人は躊躇なくブロックするようにしている。

「誕生日メッセージへの返信を1人ひとりに返す」人はすぐにブロック。私の投稿に対して、つまらないコメントをしてくる人や、LINEのように、コメントでスタンプ1つだけ送ってくる人も即座にブロックする。私と会ったことがない人が、コメント欄に「いいね」のスタンプ1つだけを送ってきても、いったい、どういうコミュニケーションを取ろうとしているのか、まったく理解できない。

オンライン上といえども、公衆の面前で頭の悪さを露呈するようなコミュニケーションは慎むべきだ。

どんなSNSにも通じるが、家族の写真を掲載するのもやめたほうがいい。ご丁寧に位置情報まで提示している人は、「わが息子を誘拐してください」とアピールしているようなものだ。そのうえで、「海外旅行中で〜す」なんてのんきな情報を公開した日には、空き巣が喜んで自宅を訪れるだろう。そんな危機管理意識の低い人間と交流できるはずがない。即刻ブロックだ。

また、私の投稿に対して、文章のないイラストやGIFだけなどのレスポンスはすべて削除している。つまらないからだ。あしからずご了承願いたい。

同様にメンドーな反論も削除している。そもそもフェイスブックはリアルの友達とのコミュニケーションツールだ。たまたま第三者のフォロワーも見られるように設定しているだけであって、普通、どうでもいい投稿に対して、何万人という人が見ている中で、リアルの友達は面と向かってメンドーな反論などしないものである。これもあしからずご了承願いたい。

友達申請をすることもある

友達リクエストの99%は、申し訳ないが無視している。友達数の上限は5000だし、そもそもフォロワーは4万人近くいるので、物理的に無理だ。私のフェイスブックの友達はほとんどすべてリアルである。


それでも、たまにこちらから友達申請をするときがある。それはとんでもなく面白いコメントを送ってきた人で、かつ、自分のタイムラインで定期的に面白い投稿をしている人だ。彼らには、こちらからお願いして友達になってもらっている。ともあれ、自分のタイムラインでまったく投稿していない人と友達になる必要などない。

実際、その中の、つまり面白いコメントをして、自分もきちんと発信している人とは、その後はリアルの友達に発展している。いい意味でおバカさんばかりだが、私がフェイスブックを使っている理由の1つだ。

ともあれ、必要に応じてブロックするから、私のタイムラインは荒れることがないはずだ。ブロックした人は300人程度。フォロワーの1%弱だ。その実体験から、ほかのSNSでも同じような比率であろう。彼ら(不思議な人たち)の声をネットのマジョリティーとしてはいけないと思う。