8月11日、名古屋で行われた日向坂46の握手会において、卒業を発表している人気メンバー、柿崎芽実の卒業セレモニーが行われた。だがその際、本人の口から、卒業の原因がストーカーによる恐怖心で、握手会への参加ができなくなることが度々あり、このまま芸能界そのものも引退するというものだった。

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 ハッピーオーラがトレードマーク、メンバーはみなバラエティ適性も高く、元気でパワフルな印象のある日向坂46の1期生最年少メンバーとして、自身も嫌みのないぶりっ子キャラで人気急上昇中だった彼女の卒業。その原因は、けやき坂時代に平手友梨奈とともに握手していた際に発炎筒を投げ込まれた事件ではないかとか、仲の良かった長濱ねるの卒業が影響したのではないかとか、日向坂への改名が原因ではないかなど、様々な憶測を呼んでいた。

 だが本人の口から、原因がストーカーであったという事実が語られたことで、改めてファンの間ではやるせない気持ちやストーカーへの怒りなどで動揺が広がっている。

 今年の5月11日に、坂道シリーズと言われる「乃木坂46」「欅坂46」「日向坂46」は、同時に公式HPにおいて、『ファンのみなさまへのお願い』として、本人や家族へのプライバシー侵害があること、またつきまといなどには警察への通報と出入り禁止にするという警告を発している。

 このときには、運営は「まだメンバーに危害が及ぶ事件は起きていない」と答えているが、メンバーからこのような訴えは合ったのだろうと推測される。

 先に欅坂を引退した志田愛佳も、同様の被害を訴えて活動を休止しており、NGTの事件でも話題になった、通称「アイドルハンター」と言われる、犯罪集団が情報を売買していた可能性も考えられるだけに、運営もできる範囲で手を打とうとしたのだろうが、間に合わなかったのだろう。

 当たり前の話だが、こうした犯罪行為をするのは、ほんの一部の人間(ファンとも言えない)ではあるのだが、残念なことに狭い世界では、こうした人間を持ち上げたり、あるいは「アイドルとしてプロ意識がない」「有名税だからしかたない」「嫌ならアイドルを辞めろ」などという心無いコメントをアイドルにぶつける匿名世界の卑怯者も存在する。

 今回、メンバーの自宅侵入、レイプ未遂事件まで起こされたNGT48が、きちんとしたけじめもつけないまま、情に訴えて活動を再開することで、再び、このアイドルハンターたちが蠢動を始める動きを警戒する必要性が出てきた。

 その対策に関して、「今回、坂道はかなり本気だ」という証言も記者の耳に入ってきている。警備の増員はもちろんだが、私服警備員も導入し、ランダムにメンバーの自宅をパトロールさせ、不審者のデータを集めたり、かねてから問題になっていたライブでの物販列の横入りや、徹夜禁止の場所での徹夜組排除などを積極的に行うよう指示が出ているというものだ。

 これはまだ未確認情報なので断言はできないのだが、現在行われている「真夏の全国ツアー」では、横入りしようとした客が運営につまみ出される姿も目撃されており、確度は決して低くないだろう。

 アイドルとの距離感を錯覚して、違法行為を起こす人間が絶滅することは難しいだろうが、これが大きな抑止力になってくれることを祈るしかない。

 あえて卒業セレモニーでストーカー被害を告発し、他のメンバーへの被害を減らそうとした柿崎芽実の想いを無駄にしてはいけない。