パリで満足のいく活躍ができていないネイマール。その去就が注目されている。 (C) Getty Images

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 今夏の移籍マーケットでの去就が注目されているブラジル代表FWのネイマール。その動向に関しては様々な噂が巷を賑わせているが、当人の心はすでに定まっているのかもしれない。

 現地時間6月21日に英紙『The Sun』は、ネイマールが、この夏にパリ・サンジェルマンから古巣のバルセロナに復帰することを「決断している」と報じた。

 2年前の夏にバルサからパリSGに2億2200万ユーロ(約272億円)で移籍したネイマールだが、加入からわずか数週間も立たずに“花の都”での生活に不満を抱いたという。同紙は、そのワケを次のように紹介している。

「チームメイトのエディンソン・カバーニとのPKキッカーを巡る問題や、アル・ケライフィ会長との確執は広く知られている。さらにネイマールは、ドレッシングルーム内での派閥関係や、張り合いのない相手ばかりとの戦いが続くリーグ・アンでのプレーにも嫌気がさしている。また、相手チームからの乱暴なタックルから自分が守られていないとも考えているようだ」

 さらに『The Sun』は、今月20日にバルセロナを拠点とするスペイン紙『Mundo Deportivo』が伝えた「僕はここ(パリSG)でプレーしたくない。家に戻りたい。離れるべきではなかった」というネイマールのコメントを引き合いに出し、「ブラジルのスーパースターは、この夏にカンプ・ノウに戻るための準備をしている」として、いまだリオネル・メッシやルイス・スアレスといった面々と良好な関係を築いているバルサへの帰還が有力であることを報じた。
 
 ここで問題となるのは、高額になることが必至の移籍金だ。不満分子となったセレソンの至宝をとどめておくわけにはいかないにしても、大枚をはたいたパリSGが安価で売却するとは思えない。

 では、バルサはいかにしてネイマールを引き戻すのか? スペイン紙『Marca』によれば、現状では「1億ユーロ(約130億円)+フィリッペ・コウチーニョ」というオペレーションで交渉を推し進めようと画策しているという。

 2018年1月に移籍金1億6000万ユーロ(約208億円)でリバプールから加わったコウチーニョだが、18-19シーズンは精彩を欠き、早くも売却候補とされている。ただ、現在ブラジルで開催中のコパ・アメリカでは皮肉にも欠場したネイマールの穴を埋める活躍ぶりを見せており、新たな攻撃の軸としてパリSGが欲する可能性はゼロではない。

 また、コウチーニョ本人も今月19日に「バルサで続けるかどうかは分からないよ」と退団の可能性を示唆。今夏からスポーツディレクターに就任したレオナルドをはじめ、ダニエウ・アウベスやチアゴ・シウバといった気心の知れた同胞も多いパリSG入りは理想的な場所と言えるかもしれない。

 はたして、ネイマールはバルサへの電撃復帰を叶えるのか。このエポックメーキングな取引の行方に注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部