世帯年収は5000万超"士業同士婚"の凄さ

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「お金持ちと結婚したい」という女性は後を絶たない。平均年収が下がり続ける現在、その志向は強まるばかりだ。しかし、全員が初めからお金持ちだったわけではない。夫を稼がせることに長けた妻たちに、その秘訣を聞いた。第3回は弁護士同士で結婚したというレイコさんのケースだ――。

case3:弁護士妻 レイコさん●仮名・30代前半
人も羨む最強の士業同士婚。
幸せの秘訣は「多くを望まないこと」

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夫 弁護士●30代後半
夫の年収は4000万円ほど。「自分たちをお金持ちだと感じることはありませんが、便利なところに住んで、食べたいものを食べられる生活に感謝しています」(レイコさん)。

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私も夫も弁護士で、私は出産後、休業中です。

もともと、弁護士など同じ士業同士でうまくいっている夫婦を身近で見ていたこともあり、漠然とですが、結婚相手は同業のほうがよいなと思っていました。

30歳手前のちょうど結婚を意識し始めた頃、仕事を通じて同業の弁護士である夫と出会い、半年くらいで自然と結婚が決まりました。

同業だからこそわかることもたくさんあります。夫の仕事への真摯な姿勢とたゆまぬ努力は、お付き合いしている頃から心から尊敬していました。きっとそこに惹かれたんでしょうね。

■夫との旅行は新婚旅行ともう1回だけ

結婚してからも夫の仕事の忙しさは変わりません。休日はほぼ家におらず、オフィスで仕事をしています。ましてや旅行なんて、新婚旅行のほかには、近郊に1回、1泊したことしかありません。

だからといって、旅行に連れていってほしいとか、記念日に祝ってほしいとか、休日に家族で出掛けたいとか、まったく思いません。休んだ分仕事が溜まって、さらに無理をすることになりますから。だったら家のことは考えず仕事に打ち込んでほしい。家族と過ごす時間をつくるくらいなら、仕事をする時間に充ててほしいと思います。

出産までは私も弁護士として働いていましたので、その頃は夫婦で5000万円くらいの年収がありました。基本的に、夫はどんなことにも寛容で、家計についても大雑把。共働き時代から生活費は夫が賄ってくれていたので、自分の収入は好きに使っていました。

私が仕事を休んでからも、お金の使い方に関しては何も言いませんし、子どもの教育費などには惜しむことなく使わせてくれます。

先日、私が体調を崩したときも、夫が率先してベビーシッターを頼んでくれました。私はあまりそういうサービスを利用したくないほうなんです。ママ友の中には、子どもを頻繁に預けてネイルサロンなどに通ったりする人も多いですが、もったいないというか、ちょっと贅沢すぎると感じてしまって。でも夫は「いくらお金がかかってもいいから、早く体を治しなさい」と。

■夫の活躍を羨ましいなと感じることも

子どもが2人に増えてからは、さらに家のことが大変になり、もはやワンオペではまわらなくなってきました。どうにもならないときだけ、オフィスにいる夫に電話をして、一旦帰宅してもらっています。

仕事が大変なのに嫌な顔ひとつせず、むしろ私の愚痴を聞いてくれて。もう菩薩のような人ですよね(笑)。それだけでありがたくて、これ以上望むなんておこがましいです。だからこそプライベートではできる限りサポートしたいと思っています。

時々、弁護士として仕事をしていた頃の自分が蘇ってきて、心のどこかで夫の活躍を羨ましいなと感じることもあります。復帰したくないと言えばウソになりますが、結婚も子育ても仕事も、全部手に入れるというのはすごく難しいことですよね。

今は目の前の子どもたちと過ごすことが私にとっての最大の仕事です。いずれ弁護士業は再開したいと思っていますが、下の子がある程度大きくなるまでは、家にいて、夫が仕事に全力で集中できるような環境をつくりたいと思っています。

(富岡 麻美 撮影=板橋 葵)