何か行動を起こそうとしたり、何か買おうとする際に、周囲の反応を気にしたことはあるはず。例えばクルマ選びでも、部下は上司よりも良いクルマを買ってはならず、結果として欲しかったクルマを諦めた……という話を聞いたことがあります。

では、現在はというと、むしろそうやって我慢することが勿体無いという風潮が高まっています。お金も時間も、自分の好きなことにとことん費やす。決して安くない買い物であるクルマだからこそ、我慢は禁物。今回は、そんな我慢を吹っ切った先でしか味わえない魅力に溢れた3台をご紹介いたします。

▪️ホンダ・シビックタイプR

ホンダが販売するハッチバック「シビック」をベースに、走行性能を徹底的に鍛え上げたのが「シビックタイプR」です。

価格は450万360円とベース車より約170万円も高価ですが、全身に纏ったエアロパーツをはじめ、320ps/40.8kgmを誇る専用エンジンやギヤ比とシフトストロークのフィーリングまで作り込んだ6速MT、ブレンボ社製モノブロックアルミ対向4ポットキャリパー+φ350mmドリルド&ピラーフィンディスクなど、刺激的な走りを楽しむ装備と機能が満載。その実力は、ドイツのニュルブルクリンク北コースにおいてFF車で最速となる7分43秒80を達成するほど。

ひと目見たら忘れないほど威厳に満ちたスタイルと内に秘める戦闘力は、所有する歓びを刺激してくれること間違いなし。そんな過剰な性能は不要という声も聞こえそうですが、本気を出せばそれだけの実力を振るえるという気持ちに浸るのもオーナーの楽しみのうち。

▪️アウディ・TTクーペ

フツーのクルマとフツーじゃないクルマ、両者を分ける最も明確な要素はデザイン性であります。パッと目に入ったが最後、「あのクルマ、なに?」と思わせるインパクトのある一台といえば「アウディ・TTクーペ」です。キリッと鋭い眼光を放つ精悍な顔と滑らかな曲線美を描くプロポーションを兼ね備えたボディは、先代モデルと同様にアルミを多用する点は踏襲しつつ、ボディフレーム上部とアウターパネルもすべてアルミ製とするなど範囲を拡大するなど、まさにクールがカタチを得たかのよう。

またインテリアでは、従来のアナログメーターから「Audiバーチャルコックピット」と称する12.3インチの高精細ディスプレイへ換装。これによりナビなどの視認性を高めたほか、見た目の先進性も大幅にアップ。

見た目第一で実用性を心配するかもしれません。確かに後席は狭いですが、荷室フロアは横幅:1000mm×奥行き:824mmと日常生活には十分な広さを確保。実用性を理由にミニバンなどを選ぶのは簡単ですが、いまではレンタカーやカーシェアなどの代替手段があるからこそ……。生まれ持った美しさにはもう敵わない?

▪️ジャガー・E-PACE

「やっぱりこのブランドは、コレじゃないと」と指摘されたことはありませんか? そんなことを言われると、ソレを選ばない自分は感覚がズレてるかもしれないと不安になってしまうものです。クルマで言うと、まさにジャガーが当てはまります。長年に渡ってアンティークなクルマを販売していたこともあって、未だにクラシックな雰囲気が残るモデルこそジャガーの真髄と思われています。

しかし、現行型の「XJ」を皮切りに全車のデザインを刷新し、ピュアスポーツカー「F-タイプ」の発売以降はスポーティでダイナミックな味わいこそがジャガーの本質だとアピールしています。その最新作が「E-PACE」です。

すでに販売されているSUV「F-PACE」と比べてボディサイズはひと回りコンパクトですが、フロントマスクのほか、内に秘めた力強さを解き放たんとしているかのようなプロポーションなどは、まさに最新のジャガーの理念のもとで作られた証。

また、コックピットのようにドライバーを囲むレイアウトや、スマートフォンやスマートウォッチとの連携も考慮した機能性、さらにマルチリンクリアサスペンションがもたらす心地良さと躍動感を兼ね備えた乗り味も魅力とのこと。固定観念に捕らわれていては決して選べない、知る人ぞ知る逸品です。

(今 総一郎)

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