いよいよ本日決勝!

 いよいよ13日は大阪大会決勝と3位決定戦が行われる。大阪大会決勝は選抜優勝の大阪桐蔭と大体大浪商の一戦に決まった。

 大阪桐蔭はこの春季大会、エース徳山 壮磨に次ぐ第二の投手育成をテーマに横川 凱、柿木 蓮の2投手を中心に起用してきた。まだ左の中継ぎとして吉峰丈太郎が好投。選抜で打撃不振に苦しんでいた藤原 恭大は決勝戦の2本塁打で吹っ切れたのか、5回戦の大阪偕星学園戦で、先頭打者本塁打を打つなど好調だ。

 センバツでは遊撃手・泉口 友汰が打撃好調。また選抜で魅せた好守備を大阪大会でも見せるなど、攻守でチームをけん引する存在だ。西谷浩一監督は、ただ勝利を目指しているだけではない。「状況に応じて継投したり、代打を送ったり、代走を送ったり、緊張感ある公式戦の中で、最善の結果を残すことは、一番の勉強になる」と話すように、いろいろと選手を試している。春夏連覇へ向けて、1つ1つの実戦を大事に戦っている。戦力層は非常に厚い大阪桐蔭。近畿大会出場を決めており、選手全体の底上げがうまくいくと、手が付けられないチームへ成長しそうだ。

 一方、大体大浪商はエースの宮本 大勢が決勝進出の原動力となった。常時130キロ前半のストレート、スライダー、チェンジアップをテンポ良く投げ分ける投球スタイルで、最少失点に抑えてきた。また内外野の堅実な守備で投手を盛り立て、打線は、上位打線、下位打線と切れ目なくつながり、土壇場で力を発揮できる打者が多いのが特徴だ。大体大浪商は大阪桐蔭と昨秋の府大会直前に練習試合を行っており、11対5で破っている。先発は宮本で、7回1失点の好投。打線も投手陣を攻略し、快勝した。今年の大阪桐蔭に対して苦手なイメージはなく、大阪桐蔭はその後、選抜優勝するチームにまでなり、宮本は「自信になりました」と語る。大体大浪商は3月27日以降からの対外試合は負けなし。選抜前には選抜出場校の滋賀学園、高岡商といった学校を破っており、実力は非常にあるチームだ。

 エース・宮本は動画で選抜決勝を見ており、改めて両校のレベルの高さ、そして大阪のレベルの高さを実感した。率いる四田監督は、選手たちに「この大阪で戦えることを誇りに思えといっています。勝ち上がることは簡単ではない。大事なのは、『自信』だと思います。今の選手たちにないのは『自信』。この自信がつけば、夏は戦えると思っています」と語る。

 この決勝戦。夏の大阪を占う意味でも大事な一戦なのである。

 そして近畿大会出場をかけて行われる3位決定戦にも注目。3位決定戦では東海大仰星vs上宮太子の一戦が行われる。東海大仰星は履正社を逆転勝利をおさめた打撃力は脅威。準決勝の大阪桐蔭戦でも、一時は1点差に追い詰める粘りを見せた。

 東海大仰星の勝利は今年の大阪を勢力図を混沌とさせるものとなりそうだ。履正社は、エース・竹田 祐以外の投手の経験を積ませる場が5回戦で終わり、残りは練習試合や私学大会で試すのみで、どこか不安を抱えたまま夏に入ることは確かである。東海大仰星は、大阪の各校に、力を結集すれば、格上の強豪を破ることができることを示してくれた。

 そして上宮太子は、エース・森田 輝は準決勝で敗れたが14奪三振を記録。森田を支える堅い守備力は、大阪桐蔭、大体大浪商に匹敵。そしてミート力が高い左打者が揃い、二季連続で近畿を狙える戦力を有している。そんな上宮太子のスローガンは「負けません」だ。準決勝で敗れたが、近畿大会出場の望みはまだ残している。

 上宮太子ナインはこの試合で底力を発揮できるか注目をしていきたい。

(文・河嶋 宗一)

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