いま現在も増え続けている、衛星軌道上に漂う「スペースデブリ」。大きなものは監視下にありますが、それでも時として衛星に悪影響をおよぼすことがあります。そして毎日新聞の報道によると、JAXA(宇宙研究開発機構)は「スペースデブリを電線で落とす実験」を今秋に実施するそうです。
 
報道によれば、JAXAはスペースデブリに電線を取り付けることでその自主的な落下を狙います。この電線には電流が流れており、地球の磁場と影響しあうことで進行方向と逆向きの力が働き、大気圏への落下が期待できるというのです。また、この電線には日本の漁網メーカーの技術も利用されているとのこと。どんなものか、一度見てみたいですね。
 
スペースデブリには極小のものから大きなものまでさまざまなサイズがあります。そしてそれらが超高速で軌道上を飛び交っていることが問題となっており、例えば塗料の破片程度でもISS(国際宇宙ステーション)のガラスに傷をつけることがあります。これが10センチを超えるようなデブリだと、宇宙船に深刻な損傷が生じることが危惧されます。
 
JAXAは今回の実験がうまくいけば、小型衛星によって電線をスペースデブリに取り付け落下させることも計画しています。今後のスムーズで安全な宇宙開発のためにも、スペースデブリへの対処は急務。今回の実験が成功するのか、期待しながら待ちたいものです。
 
Image Credit: Extremetech
■宇宙ごみ、電流使い除去実験 JAXA、今秋にも 減速させ落下目指す
http://mainichi.jp/articles/20160707/ddm/016/040/036000c?utm_source=rss&utm_medium=rss