2014年10月にまさかの打ち上げ直後の爆発を起こした、オービタルATK社の「アンタレスロケット」。無人ロケットなので人的被害はありませんでしたが、搭載されていたシグナス補給船運用3号機は失われました。
 
そして今回、バージニア州の中部大西洋地域宇宙基地にて改良型アンタレスロケットの燃焼実験が行なわれ、30秒間のロケットエンジンの点火に見事成功しました。今回のデータを確認した後、改良型アンタレスロケットはISS(国際宇宙ステーション)へと補給船を打ち上げるミッションを2016年6月に担当する予定です。
 
以前のアンタレスには旧ソ連が40年前に製造したエンジンが元となる「AJ-26」が搭載されていましたが、前回の打ち上げ失敗の原因はこのエンジンにあったとみなされています。そこで、改良型アンタレスにはロシア企業のNPOエネゴマシュが製造したエンジン「RD-181」が搭載されます。
 
今回の燃焼試験の成功について、オービタルATKのマネージャー兼副社長を務めるマイク・ピンクストン氏は「初期データは新型の推進システム、コアステージ、ロケット発射台が予定通りに機能したことを示している」と発言しています。また、今後2週間にわたって詳細なデータの分析が行なわれる予定です。
 
NASAとISSへの補給任務について契約しているオービタルATKですが、今後は自社のロケットによって補給船を打ち上げることが可能になります。それにしても、民間企業が大規模な宇宙開発計画に積極的に関わるアメリカのダイナミックさはちょっとうらやましいですね。
 
Image Credit: Orbital ATK
■Orbital ATK conducts major test of upgraded Antares rocket
http://www.theverge.com/2016/6/1/11827532/orbital-atk-upgraded-antares-rocket-hot-fire-test-nasa?utm_source=rss&utm_medium=rss