荷物を運ぶドローンや測量するドローンはもはや当たり前になりましたが、「火」を投下するドローンと聞けば驚く人も多いのではないでしょうか? しかしネブラスカ大学リンカーン校の研究者は自然環境を守るために、コントロールされた野火を投下するドローンを開発し、すでに実地テストを行っています。
 
2年間かけて開発されたこのドローンは、ピンポン球ぐらいの大きさのボールとその投下装置を備えています。そしてこのボールはグリセリンが満たされており、地面に投下されてから60秒以内に発火。周囲の草などに着火することができます。
 
人為的な野火の利用は、山火事の頻発する地域にとって非常に重要です。日本でも、人為的に野焼きを行なう地域がありますよね。また人為的な野火を利用することで大規模な山火事を防げるだけでなく、従来その地域になかった植物の侵入を防ぐこともできるんです。



 
これまで、野火の設置には人力、あるいはヘリコプターが利用されてきました。しかしこれらの方法は危険だったり、また高コストという問題があります。しかしドローンなら安く、しかも安全に野火を設置することができると期待されています
 
現在、このドローンはアメリカのHomestead National Monument of America自然公園でテストが行なわれています。ドローンは180メートル上空まで飛び上がり、8秒ごとに火種となるボールを投下します。その他にもドローンは野火の状態を確認することで、後々の機体の改善にも活かすことができます。
 


 
今後このドローンは2年ほどをかけて改良され、その他の地域でもテストが行われる予定です。
 
Image Credit: University of Nebraska-Lincoln
■Fire-starting conservation drone lights things up in national park
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