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 時速数百kmの航空機が大空を飛び回る!? そんなSF映画さながらの光景が実際に見られそうだ。

 というのも、民間宇宙旅行を促進するための基金「エックス・プライズ」の創設者として知られる米国の起業家ピーター・ディアマンディス氏が、今度はロケットエンジンを搭載した航空機同士に速さを競わせる「空中F1レース」を、2007年にも本格実施する計画を発表したのだ。

 同氏はすでに主催団体となる「ロケットレーシングリーグ」を設立。「06年秋にはエキシビションレース、その後いくつかの航空ショーやイベントを行い、07年秋にはネバダ州で予選、ニューメキシコ州で決勝を開催したい」とのこと。また、「将来的には米国外での開催も行いたい」と意気込みを語った。

 注目の飛行コースは長さ約3.2km、高度約1500m。ちょうどオーバル型のカーレースサーキットを垂直にして空中に浮かべたような、3次元コースでのレース展開となる。主役となる航空機はロケットエンジンを搭載した「X-Racer」。液体酸素とケロシンを燃料とし、最高時にはなんと時速約480kmにもなるのだという。

 各機は衝突を避けるためそれぞれに100mほど離れて飛行し、GPSでガイドされる所定のコースを周回予定。観客は長く煙を噴きだしながら飛行する各機を目で追えるほか、操縦席などからリアルタイムで送られる迫力満点の映像を大画面スクリーンで楽しむことできる。

 「レースを通じた技術改良を、安全・低価格な民間宇宙船の開発につなげるのが目的のひとつ」とする同団体は、ロケットレース開催に合わせてのツアーなども計画中。また、07年には自ら操縦士となって自分のX-Racerを操縦することのできるビデオゲームの発売も予定しているという。

 「ロケットレースは何百万人ものカーレースファンや、人類の宇宙への次のステップを待ち望む多くの人々に注目されるでしょう。そして今後数十年、人気の一大イベントになるでしょう」とリーグ共同設立者のグレンジャー・ホワイトロー氏。

 「映画のスターウォーズ・エピソード1でアナキン少年らが砂漠で繰り広げたポッドレーシングの場面を再現したい」と、ディアマンディス氏も今からワクワクだ。(文/verb)

<参考サイト>
ロケットレーシングリーグ:http://www.rocketracingleague.com