INACの開幕戦の入場者数が昨年と比べて2000人以上減ったそうなのですが、その原因についてINACの会長は代表戦・アルガルベカップのせいにしているようです。

INAC会長、入場者数減少に「なでしこが一因になった」(SOCCER NOW)

入場者数減少の原因をアルガルベカップに主力数人を招集せずに、成績もパッとしなかった事をあげているのですが、果たしてそれが主な原因なのでしょうか?

なでしこリーグの観客数が増えたのは、間違いなく女子W杯とロンドン五輪のA代表「なでしこジャパン」の活躍があってマスコミでの露出が増えたことが主因です。ですが、これはいわば一過性の人気です。何もなければ”一見さん”はスタジアムは消えて行くのは自明です。少なくとも、次のW杯は2015年ですから、そのアジア予選が始まるまでは減少傾向になると予想できます。

で、その減少傾向を食い止め、なでしこジャパンの人気をクラブチームに定着させるのは、それはなでしこリーグとクラブ側の問題だと思います。

アルガルベカップは、女子サッカーの国際大会では、一応、五輪とW杯に次ぐ位置づけになっているようですが、FIFAの主催ではなく、参加国にとっては、どちらかと言うと、五輪やW杯のための腕試し的な位置づけです。今回のなでしこジャパンは5位と成績的にはパッとしなかったわけですが、次世代の主力となり得る戦力に見極めという目的を置いての戦いでした。新戦力についてはイマイチ感が残りましたが、目的に沿った戦いだったのでメンバーの選定自体については問題はないはずです。したがって、なでしこリーグの観客数減少をアルガルベカップのなでしこジャパンに責任を押し付けるのはお門違いだと思います。

もちろん、なでしこリーグや各クラブは観客数増大に向けていろいろな努力をしていることと思います。そういった努力が実を結ぶ事を祈っていますが、おそらくいきなり実を結ぶのではなく、地道にすこしずつ数字に現れて行くものだと思います。そういうわけで、去年あたりの観客動員が本物だと思ったら大間違いだぞと思うわけです、はい。

ちなみに、僕が応援している浦和レッズレディースは、なでしこリーグでは観客動員が多い方だったんですが、なでしこブームがやってきても余り観客は増えませんでしたが、その後も余り減っていません。まあ、ブームに左右されない安定した客がついているということでしょう。出来ればもうちょっと増えるといいと思うんですけどね。それには、INACの1強状態になっているリーグで、INACに対抗できるチームにならないとね。