週刊文春によれば、「中国でもっとも有名な日本人」として知られ、日本や中国でテレビなどに出演していた国際コラムニストの加藤嘉一氏が自身の経歴を詐称していたことが分かった。10月31日付で中国新聞社が報じた。

 加藤氏はこれまで、「東京大学に合格したが、自ら入学を放棄した」とする旨の発言をしていたが、当発言がうそだったとして、自身の公式サイトに謝罪文を掲載した。

 週刊文春は、加藤氏の経歴について、ほかにも「疑わしい点がある」と報道。1つ目は自身が主張する公費派遣留学生かどうかという点だが、日本で発売された著書と中国で発売された著書で記述が異なっている。2つ目は北京大学朝鮮半島研究センター研究員との肩書について、深センの地元メディアによれば、北京大学には同名称の研究センターは存在しない。

 3つ目は、一部書籍にて、肩書が「慶応大学SFC研究所上席研究員」となっていることについて、週刊文春は「実際は訪問研究員であり、上席研究員の職務に就いた形跡は確認できない」と指摘した。

 週刊文春の報道を受け、加藤氏は10月31日、自身の公式サイトに「おわびとご報告」とする文章を掲載。「記事でご指摘の通り、私が東京大学に合格・入学した事実はなく、私の過去の言動から皆様に誤解を与えてしまいましたことに、心より深くお詫び申し上げます(原文ママ)」と詐称の事実を認めた。

 中国で広く知られる加藤氏だけに、経歴詐称の問題は中国で大きな注目が集まり、各大手ポータルサイトも関連報道を大きく扱っている。加藤氏は自身が開設している微博(中国版Twitter)アカウントでも詐称を認め、謝罪する文章を投稿した。加藤氏のアカウントには150万を超えるフォロワーがいるが、フォロワーからは「中国から出ていけ」、「日本人全体の顔に泥を塗った」など、詐称を非難する声が殺到した。(編集担当:及川源十郎)