滋賀県で「痴漢等多発警報」が発令されたのは9月8日のこと。気象庁が出す大雨洪水警報でも暴風警報でもない。痴漢―。痴漢に注意せよという警報だ。

えっ、そんな警報、聞いたことないって? それも当然。滋賀県警の生活安全部の担当者が言う。

「このような警報がほかの県で発令されたという話は聞いたことがありません、おそらく全国で初めての警報だと思います」

いったい、どんな経緯で日本初の痴漢等多発警報が生まれた?

「今年1月、『滋賀県子ども、女性、高齢者等を守る犯罪多発警報等発令制度』というものが設けられました。これは子供、女性、高齢者を守る上で、特定の犯罪が多発して県民が著しい不安を感じる恐れがあるとき、県知事が警報を発令し、住民に注意を喚起するというもので、『痴漢等多発警報』もそのひとつです。発令期間は10日間。犯罪が減らない場合はさらに10日間、延長できます」(生活安全部・担当者)

確かに、滋賀県では9月に入って性犯罪が多発している。8月の痴漢や盗撮、強制わいせつ事件が21件だったのに、9月になると最初の1週間だけで11件もの事件が起きてしまった。

そのため、9月8日にすぐ警報が発令されたというわけ。

とはいうものの、卑劣なわいせつ犯罪はやまず、さらに10日間延長される事態に。9月23日時点の発生件数はついに25件に達してしまった。

生活安全部の担当者がコボす。

「実は、5月にも一度、痴漢等多発警報を出しているのですが、5月と9月は性犯罪が多発する傾向があります。原因? どちらの月も制服の印象が強くなりますから。5月は女子高生らがコートを脱いで制服姿になりますし、9月は夏休みで見られなかった制服姿を久しぶりに目にする季節です」

女子高生!? そのキーワードでひらめいた。滋賀県はかつてネット上で、「女子高生のスカートが日本一短い」と話題になった県。今から5年前、週プレでもこの滋賀の女子高生の「日本一ミニスカ伝説」を検証する記事を掲載したことがある。

ひょっとして、滋賀県が痴漢等多発警報を発令しなければいけないほど痴漢犯罪が多発しているのは、いまだに女子高校生のスカートが超短いせいではないのか? これはきっちりと調査しないといけない。

というわけで、5年前に滋賀県内でスカートの短さナンバーワンといわれた琵琶湖の南部、湖南地区の某高校へと行ってみた。なんせ、この高校、ネットの書き込みが話題になり、全国から盗撮マニアが出張ってくるほど、注目の的だったのだ。

すると……おおっ! 5年前の過激さ(本当に危なっかしいほど短かった!)には及ばないものの、それでも近隣の大阪や兵庫などの女子高生よりも明らかに短い。

そんな女子高生たちに「警報発令中なのに、そんなにスカート短くて大丈夫なの?」と質問してみた。その答えは次のとおり。

「なんで変態のおっさんのせいで、ウチらがスカートを長くせんとあかんの? オシャレで短くしてんのや。警報なんて関係あらへん!」

「パンツがちょっとくらい見えてまうのはしょうがないやんと思うてる。スカートが短くて痴漢に遭おうても、それは自己責任や」

「スカートを長くするのだけは絶対にイヤや」

とはいえ、卑劣な性犯罪者がウロウロしているのも事実。9月20日には大津市内の国道で、帰宅中の女子高校生が自転車から引きずり下ろされ、はいていたパンツを強奪されるという荒っぽい事件も起きている。

オシャレのためなら、パンチラも意に介さず―。その気持ちはよくわかるけど、やっぱり身の安全には気をつけるべし!

(取材/ボールルーム)