■幸せすぎるからキャバクラ通い!?

――新喜劇の座長を襲名したときは、感慨深かったのでは?

【小籔】よく、オリンピックの選手が「皆さんのおかげでメダルが取れました」とか言うじゃないですか。僕はずっと「何ぬかしとんねん!」って思っていたんですね。人脈があればメダルが取れるんかと。でも、座長を襲名したとき、ほんまに心から「皆さんのおかげです」って思えたんです。あのとき、この世界に引き留めてくれなかったら、いまの僕はないわけですから。……ところで今日、映画の取材やないんですか?

――すっかり忘れていました(笑)。映画では相武紗季さん、本仮屋ユイカさんという美女ふたりに囲まれて、うらやましい限りでした!

【小籔】実は僕、撮影前に危惧(きぐ)していたことがあったんですよ。

――それはどんな危惧でしょう?

【小籔】山口百恵さんと三浦友和さん、明石家さんまさんに大竹しのぶさん……よく、共演をキッカケに恋愛関係に発展したりするじゃないですか。家庭があるのに、相武さんが僕のことを好きになったらどうしようって、それがいちばん心配だったんです。

――は、はぁ……。

【小籔】だから、最初はあまり彼女と話さないようにしていたんですけど、やっぱり演技していくなかで仲良くなってしまい……次第に僕も「相武さんと結婚してもええな」と思うようになっていったんです。で、あれは忘れもしない去年のバレンタインデーですよ!

――え? ま、まさか……!?

【小籔】撮影期間中だったんで、相武さんが現場にチョコをドーンと持ってきてくれたんです。スタッフの分だけかと思ったら、僕だけの特別なチョコもあって。ついにきてもうた、いよいよオレに告白する気かと。すごく焦りましたよ。家族を取るか、相武紗季を取るか、ものすごく悩みました。アカンアカン、紗季ちゃんを不倫の世界に引きずり込んでしまう、これはアカン……って思っていたんですけど、映画が終わったらそれっきりで(笑)。

――家庭崩壊の危機を乗り越えられてよかったですね(笑)。

【小籔】ほんまですよ! いまは子供もふたりおって、理想とする幸せな家庭が手に入っている。めっちゃ幸せやん、って思うんです。ただ、休みの日に朝からずっと家にいると、夜9時くらいには「アカン、キャバクラに行かな」って焦ってくる(笑)。家族を幸せにするには僕がいい芸人にならないといけないんですけど、いい芸人になるには家でゴロゴロしていたらアカンでしょ。幸せな空間に面白いことは落ちていないですから。

――まさに芸人魂ですね!

【小籔】だからね、2億円欲しいんですよ。それくらい貯金があれば、家族を一生養えるやないですか。そうしたらもう僕、働かずに家でゴロゴロしますから(笑)。

(取材・文/高篠友一、撮影/佐賀章広)

■小藪千豊(こやぶ・かずとよ)
1973年9月11日生まれ、大阪府出身。93年に漫才コンビ「ビリジアン」を結成。2001年に同コンビ解散後、吉本新喜劇に入団。06年、史上最年少で座長に就任する。巧みなトークで昨年末『人志松本のすべらない話』10代目MVSに。

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