10月27日のドラフト会議で意中の巨人ではなく日本ハムから1位指名を受けた菅野智之投手が日本ハムへの入団拒否を表明した。会見の中で菅野選手は「日本ハムから高い評価をいただいた」としながらも、「元来の意中の球団である巨人への入団を目指す」というもともとの意志を貫いた形だ。  入団しないことで菅野選手は浪人という道を選択した。浪人であれば来年にまた指名のチャンスがあるが、1年間実戦経験を積むことが出来ない。同じく巨人への入団を希望し、二度に渡りドラフトで指名を受けた球団からのオファーを拒否した上で、巨人へ入団し、今シーズンは首位打者にもなった長野外野手とは、境遇が変わる。しかし、実戦経験を積めないことは大きなリスクであり、江川氏の例はよく引き合いに出される。  日本ハムへの指名を拒否したことで、来シーズンでのドラフト指名を検討し始めた巨人以外の球団もあるようである。ゆえに巨人が指名をするためには、当然ながら来シーズンも上位(1位)で指名する必要がある。菅野選手の伯父であり、現巨人監督である原監督がどのように動くか注目だ。  ただ、お家騒動で要らぬとばっちりを受けている原監督は来シーズンの成績如何では進退がかかる。ドラフト指名の際、伯父としての心境も吐露した原監督。自分自身の手で甥の菅野選手を指名したいであろう。

 また監督が代われば方針も変わる可能性がある。その際、自分の成績不振のせいで菅野選手の指名がお流れになってしまうこともあり得ない話ではない。お家騒動によって、余計な注目を集めてしまう状況の中で、結果も残さねば親族にも影響を及ぼす原監督へのプレッシャーはもしかしたら想像以上に大きいのかもしれない。(編集担当:白鳥優)