親子共演・松本幸四郎と松たか子 (C)BBC EARTH PRODUCTIONS (LIFE) LIMITED MMXI. ALL RIGHTS RESERVED.
 フジテレビ系列の月9ドラマ『ロングバケーション』、『ラブジェネレーション』や『HERO』に木村拓哉と共演し女優としての知名度を確実にあげてきた松たか子。映画『告白』では日本アカデミー賞・優秀主演女優賞を獲得するなどして、名実ともに日本を代表する女優へとステップアップを遂げた松が、歌舞伎俳優であり、父である松本幸四郎と、映画『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』の案内人として共演し、28日に公開収録を行った。

 『ディープ・ブルー』や『アース』の英BBC製作によるネイチャードキュメンタリーである本作品は、アフリカゾウ、アザラシ、チーター、ザトウクジラなど、地球上に住む多種多様の生物がそれぞれの命をつないでいく様子を、最新のカメラシステムを用いて動物と同じ目線で撮影。2011年に設立50周年を迎えるWWFが特別協力をし、生態の細部や決定的な瞬間をとらえることに成功した。

 英語版では、ナレーションをダニエル・クレイグが務めるが、日本版では“命”をテーマに、松本親子が息のあったナレーションを見せた。BBCのドキュメンタリーが大好きだった松は、親子共演については「ぜひやりたいと思いました」と語った。一方、松に背中を押された父親の松本は、「ナレーションに関してはライバルですから、少しでも父の方がいいと思ってもらいたいです(笑)」と、微笑みながらもライバル心はメラメラの様子だ。

 動物に例えるとナマケモノだという松に対して、松本は「みんな役者だから豹変するんですよ。パンダがチーターになったり…」と、意外な松本家の肉食ぶりを吐露した。作品については、「服を着ていなくても自然の厳しさの中で家族を守るゴリラの姿に感心しました」と、父親としてひとこと。そんな父親について松は、「最前列に立つライオンでいようとしている」と印象を話した。自分のライフについては、「まだ宙に浮いています(笑)」と話すと、「父には刺激が強すぎる質問だな…」と松本が苦笑するシーンもあった。

 この映画のサブタイトルは、“いのちをつなぐ物語”。未曾有の震災で、何か出来ることがないかずっと考えていたという松本は、歌舞伎役者として名前を引き継いだ際に、「父に“襲名”の“名”は名前ではなく命だ」と言われたセリフを思い出したようで、「心と体の中にあるエネルギーをもっと信じたい」と締めくくった。生き抜こうとして必死に闘っている動物たちを通じて、私たちが考えさせられることは沢山あるようだ。

『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』-公式サイト