――一昨年からお話を伺うようになって今回で5回目ですが、倉木さんは本当に人とのコミュニケーションに気を遣われる方だなという印象を変わらずに受けているので、歌詞では強い感情が露になっていますが、日常生活で怒ったりする場面ってあるのかなと?

倉木:ありますよ(笑)。例えば、タクシーの運転手さん全員がそうだとは思わないんですけど、中には道を把握してない方がいらっしゃるんですよね。分からないんだったら素直に言ってくれればいいんですけど…。もう、あたかも知っているかのように動き出して、同じ所をぐるぐる何回も回られて。それで「運転手さん、分かっているんですか?」って聞いたら、「この道でいいんですよね?」って逆に聞かれたんです。カーナビが無かったので「私は道が分からないので、無線で聞いて下さい」と言ったんですけど、その後も明らかに同じ所を回っていて。初めの方は「合っているのかな?」と思いながら乗ってたんですけど、さすがに「すみません、私降ります」って話をしたら、「実は沖縄から来て、まだちょっと道を把握しきれていないんですよね」って言われて。「だったら最初に乗った時点で言ってよー!」みたいな感じで、その時はちょっと参りましたね。ピキっときました(笑)。

――人間の感情としてごく当たり前のことなんですけど、今までは倉木麻衣という人が、どういうことに対してどういう感情を抱く人なのか、見え辛い部分があったのかもしれませんね。

倉木:そうですね、「へぇー、倉木麻衣ってタクシーの運転手さんに怒るんだー」みたいな(笑)。みんなもそういう所で怒ると思うんですけど。あとは一回、親が小さい子供を叱っていて、すごい勢いで手が出ているのを見た時に、その場で止めに入りそうになったことがあったんですよ。「ダメだよ」って口で注意するんじゃなくて、子供を叩いているのを見て、腹立たしくなって、ものすごく苛立ちを覚えましたね。

――「永遠より ながく」のように新たな曲調やジャンルに挑戦しつつも、「Drive me crazy」のようなR&Bは、自分の核となる部分として実感されているのでしょうか?

倉木:そうですね。R&Bは自分の中ですごく親しみやすいし、好きなジャンルでもあって、今までずっとR&Bテイストを採り入れることを貫いてきたので。またその中でも一歩前に進んだような世界観を広げた歌が作れたらいいなと思っていて、今回は今まで自分が作ってきたR&Bテイストよりも、より強い感じに仕上げられたかなと思います。この歌でまた一年間、みんなを“Drive me crazy”=“夢中”にさせていけたらいいなという想いで作りました。

――10周年は今までの自分の音楽を振り返るきっかけになったかと思いますが、今回のシングル含め、今後やっていきたいと考えられていることはありますか?

倉木:今も新曲の制作に取りかかっているんですけど、格好いいサウンドを届けていきたいなと思っています。

――音楽以外で、個人的にやってみたいことは?

倉木:本当にずっと言い続けているんですけど、マリンスポーツとかやってみたいなと思うんですよね(笑)。

――確かに、何度か聞いた憶えがありますね(笑)。

倉木:まだ叶っていないんですよ、なかなか(笑)。でも、やっぱり自分の中ではまだまだ、プライベートも全部含めて、音を追求していきたいんですよね。メロディーは一つだけど、サウンドやアレンジもそうですし、周りにつける音によって全然メロディーも変わってくるので。そこにこだわって、追求していきたいという気持ちがすごく強いです。斬新な新しいサウンドを生み出したいですね。

――去年は本当に驚かされた1年だったので、今年も益々楽しみにしてます。

倉木:サプライズをどんどんしていきたいなと思っているので、また今年もよろしくお願いします。


倉木麻衣『永遠より ながく/Drive me crazy』発売記念mini LIVE & touch会
日程:2010年3月6日(土)
時間:13:00〜1st stage、16:00〜2nd stage
場所:お台場ヴィーナスフォート 教会広場
お台場 VenusFort ヴィーナスフォート

倉木麻衣 ニューシングル「永遠より ながく / Drive me crazy」特集
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