ドコモの新プラン「ギガホ」は本当に安くなるのか? 現在と新プランの実際の利用料金を比較してみた

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NTTドコモの新料金プランの「ギガホ」「ギガライト」が、従来よりも最大4割安く利用できるという謳い文句で6月1日よりスタートします。

2014年から提供されている「カケホーダイ・パケあえる」は、新プランと入替に5月31日で新規受付が終了します。

このため今後は、
ギガホ・ギガライトから料金プランだけからプランを選ぶようになります。

そんな中、早くもネット上では
「今までよりも高くなる?」
といった声も多く聞かれます。

そこで今回は、家族でNTTドコモユーザーである筆者が、実際に利用中の料金を元に
・現状では、いくら?
・ギガホに変えたら、いくら?
これを試算しながら、本当にギガホ・ギガライトで安く利用できるのかを確かめていきます。


○ギガホはそのままだと少し高い
筆者のNTTドコモの利用状況ですが
・シェアパックでデータ容量を家族で分け合って利用
・ドコモ光も利用中
・筆者だけでも3回線(スマホ&タブレット)利用
このように家族全体ではNTTドコモで5回線の契約がある状態です。

機種については
・筆者は1年毎に買い替え。買い替え時、旧機種は下取りに出す
・家族は2年毎に買い替え
このサイクルで買い替えを行っており、基本的には24回払いでその時々に選べるハイエンドモデル(iPhoneであれば、買い替えの年の最新モデル)を購入しています。


(表1)


まずは現在の利用料から見てみましょう。
データ容量は毎月50GBを5回線で分け合って利用しています。

各回線のデータ利用量は毎月の利用量の平均となり、もし稀に平均以上に利用しても10GBの余裕があるため、速度制限を受けることなく利用できています。

また、5回線の合計は月額で約4万円、1台あたりは約8,000円と、最新機種を24回払いで購入している場合と比較しても特別に「高くはない」料金です。
筆者としても、この月額料金に、大きな不満はありません。


(表2)


続いて、
新プランの「ギガホ」「ギガライト」に変更した場合の料金をみてみましょう。
家族全員でデータ容量をシェアする仕組みがなくなるため、回線毎にそれぞれ毎月のデータ利用量に適したプランを選択します。
新たに始まる「みんなドコモ割」と、ドコモ光とのセット割引をフルに適用しても毎月の総額は従来プランを利用した場合よりも高くなってしまいます。

10GB以上使う回線は、
「30GBまで同額で高速通信可能」なプランであるため、ギガホの定額料のみで利用できます。稀に10GBや14GBといった毎月の平均データ使用量を超えることがあったとしても、それ以上に費用はかかりません。

普段のデータ使用量が少ない回線は、
「ギガライト」に加入します。今まで通りのデータ使用量であればそこまで高くはありません。
しかしギガライトで「いつも以上に使った場合」は、段階制で利用料がかかってしまうため、回線毎の通信料も、家族全員の総額も、高くなってしまうからです。


○本体代金の「購入補助」が鍵を握っている?
従来プランであれば
・月々サポート
・docomo with
・端末購入サポート
ここうした新機種を購入する提供される、通信料や本体代金を割り引く仕組みで料金を抑えていました。

従来プランの試算結果では、こうした端末購入補助で1万円近い割引が適用されています。
もしこの割引がなければギガホ・ギガライトで契約した場合よりも料金は高くなります。

またNTTドコモは、新プランのギガホ・ギガライト向けに「購入補助」を「これから発表する」とアナウンスもしています。
このため、「購入補助」の内容次第では従来プランを選んだ場合よりも安くなる可能性もあります。

さらに注意したいポイントは、
従来プランから、ギガホなど新プランに変更をすると、
「現在適用されている購入補助の各種割引は消失する」
ということです。


今回試算した結果の通り、現在、
・複数の回線を利用している
・それぞれの契約で購入補助の割引が適用されている
この場合、現行プランから新プランに変更をすれば、
・現行の割引が消失する
このため、ほぼ確実に毎月の料金は高くなってしまいます。

こうした検証をまとめてみると、
ギガホ・ギガライトといった新プランに変更して安くなるのは、
・購入補助が既に終わっている(前回の機種購入から2年以上が経過している)
・新しい購入補助(ないしは類似するサービス)の発表後に機種・プラン変更する
こうした場合に限られると思われます。

もちろん、NTTドコモとしても、新料金プラン・サービスで、
「今までよりも高くなる、悪くなる」
そんな結果や評価がでては、新プランに変更した意味はありませんし、総務省や政府からの批判もさけられません。

今回の新プランは、入口こそ「ギガホ」か「ギガライト」かの二択とシンプルにはなりましたが、安く利用するには、まだまだ複雑な仕組みの追加と、仕組みの紐解きをしながら選んでいくしかなさそうです。


執筆 迎 悟