日本での成功モデルが米国でも通用するとは限らない(C)日刊ゲンダイ

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 日本国内で業績好調な飲食店が、続々米国市場に進出している。だが、日本での成功ほど業績は伸びず、苦戦する企業も少なくない。

いきなりステーキ“100キロ超”会員 喜多羅滋夫さんの肉愛

 日本で335店舗以上を展開し、昨年2月にニューヨークに進出したのはペッパーフードサービスが経営する「いきなり!ステーキ」。

 同社は顧客の前で希望する量を切り分ける「オーダーカット」スタイルと、立ち食いの気軽さ、格安さが受け2018年12月期決算(1〜6月)は売り上げ279億円(前期比81.5%増)、営業利益は15億円(同24%増)と業績は絶好調。さらにこの1〜6月だけで新規に93店舗を出店させている。

 日本国内のこの勢いを受けてニューヨーク・マンハッタンに海外1号店を出店、以後この10月までにニューヨークに10店舗をオープンした。だが客足は低調で収益も予想を下回っている。

「日本で受けた立ち食いスタイルや肉の格安感、店の形態がニューヨークのお客さんのニーズに合いませんでした。日本で調子が良かったのでそのままシステムを持って行ったのですが、通用しませんでした」(同社広報室)

 そもそも高所得者が多いニューヨークは、多少高くてもいいものを食べる感覚が強い。元メリルリンチ証券で調査部長を務めた流通評論家の鈴木孝之氏が、「いきなり!ステーキ」の米国でのつまずきをこう指摘する。

「まず日本並みの格安価格ですが、米国は肉が安く価格で勝負はできません。立ち食いシステムや、隣席を隔てる店内のテーブルのついたても米国の文化には合わない。日本の成功モデルが米国で必ず通用するとは限らないのです」

「いきなり!ステーキ」に続き、「築地銀だこ」を運営するホットランドが、とんかつ専門の「かつや」、唐揚げ専門店「からやま」を運営するアークランドサービスホールディングスと合弁会社を設立、今年8月に築地銀だこ、からやまが1店舗ロサンゼルスに進出している。同社は3年後をめどに両ブランドで米国内100店舗を目指すという。

「築地銀だこは米国では新しいアイテムですが、米国人はタコは食べません。また唐揚げは米国発のフライドチキンがありますし、チャイニーズレストランが数多くある。単価が安く家賃の高い米国では苦戦するでしょうね」(前出の鈴木氏)

 ニューヨークはいま日本食ブームといわれ、すでに多くの日本食レストランがある。人気レストランは寿司に代表されるように、盛り付けや味付けなど、日本食のこまやかな手作り感で勝負する店が人気だという。