竹島の郵便局職員失踪、村の担当者がコメント 「島民から『職員を変えて欲しい』との声は聞いていない」と一部報道を否定
鹿児島県三島村の竹島にある簡易郵便局で、10月下旬から職員が失踪し、ネットで話題になっている。
勤務していたのは、三島村の嘱託職員31歳の男性。ネットでは、県外出身の男性が一人で業務にあたっていたことから「業務量が過剰だったのでは」といった憶測が飛んでいる。人口約80人の島でいったい何が起きているのか。キャリコネニュースでは、三島村と日本郵便九州支社の担当者に取材した。
他の島では配置済みの「補助職員」が竹島にはおらず「人材確保に後れを感じてはいた」
三島村総務課課長の話によると、男性は、郵便局の運営が村に委託された7月から簡易郵便局で勤務を始めた。それまで郵便局での業務経験は無く、日本郵便の研修を数日受けて配属されたという。
前任者からの引継ぎは「それなりにあった」そうで、男性の働きぶりについても「悪いと言う話は聞いたことが無い。やる気があったようだ」と振り返る。仕事の進め方や労働環境について相談されることも無かったと言う。その後、男性は10月27日に休暇を取って県外に出たまま戻っておらず、一度も連絡が取れていないという。
一部報道では、男性が一人で全ての業務を行っていたことや、複数の島民から「職員を別の人に変えて欲しい」と要請があったこと、長時間労働の可能性などが報じられていたが、総務課長は
「『仕事に少し時間がかかるようだ』とは聞いたことがあったが、変えて欲しいといったことは、文書でも直接でも聞いていない。仕事に関しては初めてということもあり、業務に慣れれば改善されると思っていた。時間外労働の有無は本人に連絡が取れないので確かめようがない」
とコメントした。男性の家族に、本人の居場所を知っていれば教えて欲しい旨の文書も送ってはいるが、返事はなく、所在は掴めていない。「男性は来年3月末まで三島村の職員として籍がある。今後どうするのかも含め話したい」と、歯がゆさも滲ませた。
三島村には竹島のほかに硫黄島、黒島があり、黒島にも2つ簡易郵便局が置かれているという。業務を担当する職員は竹島と同様1人で、職員は皆、9時〜17時の勤務時間内に仕事を終えている。そのため、失踪した男性の業務量だけが著しく多かった訳では無いという。
ただ、他の島では職員が休む時には、代理を務める「補助職員」を置いて対応しているが、竹島では人材確保が難しく、補助職員がいなかった。男性の失踪は、村でも整備の必要性を感じている最中で起きたようだ。「12月までには島民か、新しく定住する人の中から適任者を探し、研修を受けてもらいたいと思っています」と話した。
簡易郵便局は13日から、月曜・火曜のみの週2日営業を続けている。村ではハローワークに求人を掲載し、新たな人員の確保にも乗り出している。雇用期間は来年3月末まで。月給は19万300円だ。
日本郵便は「過去の経緯については回答を控える」
簡易郵便局の運営を村に委託していた日本郵便は、男性がいなくなる前兆や住民とのトラブルの有無について把握していたのだろうか。同社九州支社の広報担当者はキャリコネニュースの取材に対し、「過去の経緯については回答を控える」と言葉を濁したが、現状については
「11月6日〜10日までの間窓口を閉鎖したこともあり、できるだけ早期に安定的なサービスを提供できる体制を整えていただきたいと村には要請しております。また、弊社としても、出来るだけ早期に週5日の運営ができるよう、後任の事務取扱者に対して、研修の前倒しが可能か調整していきます」
と、体制整備に協力する姿勢を明らかにした。