【あの人は今】名作マンガの作者たちの今! 最近見かけない漫画家の現在を徹底調査してみた結果

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漫画といえば世界に誇る日本文化のひとつ。漫画の神様・手塚治虫をはじめとした昭和を代表する漫画家の活躍やジャンプ黄金世代などを経て、日本の漫画はレベルが跳ね上がり、世界でもそのまま「MANGA」として高い評価を受けるようになりました。



漫画雑誌が減り続けている



しかし近年は雑誌の売り上げ低迷の波が漫画業界にも押し寄せ、一時代を築いた数々の漫画雑誌が廃刊に追い込まれていきました。漫画家が活躍できる場がどんどん少なくなっているのです。

消えてしまった漫画家も多い



漫画家の活躍の場が減るということは、仕事がなくなってしまう漫画家も多いということ。仕事の枠が少なくなっても続々と新しい漫画家は誕生していきますし、かつて大ヒット作品を生み出した漫画家でも現在は仕事に恵まれていないということだって珍しくはないのです。実際に「そういえばあの漫画家の作品、最近見かけないな……」と思うことも多いですよね。

最近見かけない漫画家の近況を調査



そこで、最近あまり見かけなくなってしまった気のする漫画家たちの近況を徹底的に調査。現在は何をしているのかを調べてみました。今回は8人の漫画家たちの最新情報をお届けします!

のむらしんぼ / 代表作:つるピカハゲ丸



1985〜95年にコロコロコミックに連載されていた「つるピカハゲ丸」で絶大な人気を集めていたのむらしんぼ先生。しかしその後はヒット作に恵まれず、多い時は1000万円もの借金がありました。現在はその当時の極貧生活をネタにテレビ番組に出演したり、コロコロアニキで自伝的作品「コロコロ創刊伝説」を連載中。



桜玉吉 / 代表作:しあわせのかたち



1986〜94年に「ファミコン通信」(ファミ通)に連載されていた「しあわせのかたち」でコアな層に人気を誇っていた桜玉吉先生。さまざまな病気に罹患してしまい、一時は危篤状態にまで陥ってしまったのだとか。2003年11月より「月刊コミックビーム」で「御緩漫玉日記」を連載していましたが、解離性同一性障害の症状が出てしまったため連載を終了。その後は2012年4月に約5年ぶりとなる新作『漫喫漫玉日記 深夜便』を「コミックビーム」にて発表し、2013年からは週刊文春にてエッセイマンガ「日々我人間」の連載を開始し、昨年に約10年ぶりとなる単行本を発刊しました。

ガモウひろし / 代表作:とっても!ラッキーマン



1997年に「とっても!ラッキーマン」の連載が終了した後に2作品を週刊少年ジャンプで連載するものの、いずれも半年で打ち切り。その後は読切掲載や絵本の執筆が確認されていますが、これといったヒット作はありません。

しかし「DEATH NOTE」「バクマン。」の原作者・大場つぐみ先生がガモウひろし先生の別名義だという有力な噂があります。その理由はいくつかあり、大場先生がガモウ先生の絵本『でたぁーっ わんつーぱんつくん』に推薦コメントを寄せている点、「バクマン。」の単行本に掲載された大場先生のネームのタッチがラッキーマンにそっくりだと言う点、「バクマン。」の作中に登場する川口たろうの漫画「パックマン」が「とっても!ラッキーマン」にそっくりな点などがあげられます。

つの丸 / 代表作:みどりのマキバオー



ギャグ漫画「モンモンモン」で連載デビューし、「みどりのマキバオー」のヒットで知られるつの丸先生。マキバオーはアニメ化もされましたが、1998年に連載を終了してからはヒット作に恵まれずにいました。ところが2007年から週刊プレイボーイにてマキバオーの続編「たいようのマキバオー」を連載開始すると再びヒット。途中タイトルや発表媒体を変えながらも10年に渡って連載を続け、今年2月についに完結。次の作品はどんな作品になるのか注目ですね。



矢沢あい / 代表作:NANA



「天使なんかじゃない」「ご近所物語」「Paradise Kiss」など大人気作品ばかりの矢沢あい先生ですが、病気療養のために「NANA」を2009年から休載し続けています。重要登場人物の死亡など怒涛の展開の途中で休載に入ってしまったため、多くのファンが再開を熱望しています。

病名については公表されていないため、うつ病やガンなのではといった噂、さらには死亡説まで流れました。しかし、最近になってミュージシャン・JUJUの新曲で新作描き下ろしのコラボレーションイラストが公開されたため死亡説はデマであることが判明。このまま「NANA」の再開も実現させてほしいものですね。

中崎タツヤ / 代表作:じみへん



シュールなギャグ漫画「じみへん」の連載26年目となった2015年、中崎タツヤ先生が還暦を迎えると同時に連載を終了し、そのまま断筆引退。漫画道具はすべて廃棄し、著書や原稿もシュレッダーにかけて処分してしまい、もう漫画を描くことはないし、描きたいとも思わないとまで宣言してしまっています。

澤井啓夫 / 代表作:ボボボーボ・ボーボボ



2001年から2007年まで週刊少年ジャンプに連載されていた「ボボボーボ・ボーボボ」の作者・澤井啓夫先生。不条理ギャグと独特なタッチで当時の子供たちの心を鷲づかみにし、アニメ化・ゲーム化などもされたほどの大ヒットとなりましたが、それ以降に執筆した作品はいずれも短期間で打ち切りとなっています。

2011年に最強ジャンプで連載開始となった『ふわり!どんぱっち』では萌え系のイラストにも挑戦しましたがヒットと呼ぶほどには至らず。タイトルを『ふわり!どんぱっち』に変更も2015年には連載終了。残念ながら以降は作品を発表していないようです。

柴田亜美 / 代表作:南国少年パプワくん



「南国少年パプワくん」の作者で知られる柴田亜美先生ですが、なんと美容家としてプライベートサロンのオーナーへと転身を果たしています。漫画家生活で劇太りしてしまい、その後さまざまなダイエットを体験した柴田先生は、自身が通っていたジムで受けたマッサージをきっかけに、体のバランスを整えることの大切さを確認。その後、麻布十番にプライベートサロンを開設するに至ったわけです。

サロンでは顧客のカウンセリングをしたり、サロンで提供する食事を作る仕事まで行っていて、漫画家としての活動はセーブ中。そのまま漫画家を引退しても構わないと考えているそうです。



漫画業界の厳しさを知る結果に……



大ヒット作品と呼べる漫画家でも継続してヒットを飛ばすのは難しいということがよくわかりますね。そして大ヒット作品があってもこの現状なのですから、漫画家デビューを果たしたもののヒットに恵まれず、そのまま廃業したり、売れずにもがき続けている人もたくさんいるのでしょう。漫画業界は実に厳しい世界なのですね。

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/