日本の伝統文化と言っても良い折り紙。ただ手順通りに紙を折って形を作っていく…という単純作業ですが、実は脳の発達にとても良い影響を与えてくれる存在なのです。簡単なものなら子どもでもできますし、複雑で凝ったものは大人でも夢中になるほど。この記事では、折り紙が与える脳への影響をご紹介していきます。

空間認識能力が上がる

何気なく紙を折るだけの作業ですが、このとき脳の中では空間を認識するための力が飛躍的な成長を見せています。例えば折り紙の中でもポピュラーな鶴を折るとします。鶴を折るときに脳は「今折っているこの部分が鶴のどの部分になるか?」といったことを考えているのです。どこがどうなる、といった空間の仕組みを考えることで、自然と空間認識能力が成長しています。特に成長段階の子どもに折り紙をさせると、本人にとっては遊び感覚で脳の成長を促すことができますよ。

記憶力が上がって認知症の予防になる

折り紙は一度折ったらそれで終わり…ではありませんよね?一度折ったものは次にもう一度折って、最初の作品よりももっと綺麗に仕上げていきます。こうして作品づくりを繰り返すうちに、折り方の手順を覚えて記憶力が上がっていくのです。特に折り紙は、同じ一枚の正方形から何千通りの折り方で様々な形をつくっていきます。その細かな折り方の違いを記憶することは、記憶力のトレーニングに向いているのです。もちろん折り紙の折り方だけではなく、折り線の付け方や手先の動かし方など…覚えることはたくさんあります。記憶力が鍛えられることにより、折り紙は認知症の予防にもなるとされています。

集中力が上がり、達成感が得られる

綺麗に紙の端と端を揃えて折ったり、見栄えを整えながら形を形成したり…折り紙作品をつくる過程には、集中力が欠かせません。折り紙を折ることは集中力を上げることにも繋がっているのです。また、折り紙は手軽ながらに達成感を得ることもできます。綺麗に整った作品ができたときは、「やり遂げた!」という達成感で自然と気持ちがポジティブになるものです。忙しくて趣味に割く時間がない、という人はひとまず折り紙を始めてみてはいかがでしょうか?忙しい現代人の達成感を満たして、ストレス発散やうつ予防にも効果を発揮してくれますよ。


writer:さじや