「社内恋愛が盛んな会社」ランキング10社

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「社内恋愛が盛んな会社」ランキングで1位となった大塚家具。大塚久美子社長(左)はこの結果にどんな感想を持つか(撮影:今井康一)

会社勤めの人間が結婚するきっかけとは何だろうか。

国立社会保障・人口問題研究所が5年おきに行っている、結婚や出産に関する全国調査「出生動向基本調査」(2015年調査)によると、夫婦が出会ったきっかけとして、「職場や仕事で」と回答した割合は、28.2%だ。これは「友人や兄弟姉妹を通じて」の30.8%と並んで、”出会いの2大パターン”となっている。

また、交際相手がいる18〜34歳の未婚者に、現在の交際相手と出会ったきっかけを聞いたところ、「職場や仕事で」が、男性で18.6%、女性で21.5%。こちらも、「学校」や「友人・兄弟姉妹」と同様に、上位の一角を占めている。社内の人間のほうが素性がわかって安心、というのもあるかもしれない。

「3割弱」が職場結婚という現実


このように社内恋愛は、どこにでもある出来事だ。最近では少子化対策として、こうした職場を通じた出会いを支援する動きもある。政府は、婚活に関する検討会(「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」)を2016年に開催し、企業内の交流の機会の提供など、多様な交流の機会を増やすことを提言の中に盛り込んでいる。

一方、会社によっては、社内恋愛に対する考え方はさまざまだ。「社内恋愛は禁止」と、ルールを定めているところもあれば、逆に奨励している会社もある。

そうしたさまざまな会社がある中、「社内恋愛が盛ん」な会社・業種というのはあるのかが、やはり気になってくる。当然ながら企業側がそうした社内恋愛の状況を発表することはない。そこで、口コミの評価をもとに、社内恋愛の現状を把握することにした。

就活生にとって、社内恋愛を求めて入社するという人は、少数派かもしれない。が、会社の雰囲気を知るひとつの指標として、みてもらいたい。

エン・ジャパンが運営する口コミサイト「カイシャの評判」には、その企業に在籍する社員や派遣社員など、会社で勤務するスタッフ、在籍したことのある元社員たちが多くのコメントを寄せている。同時に、会社の雰囲気などを聞くアンケートも実施しており、その中に「社内恋愛は盛んですか?」という問いがある。この問いに対して、「はい」と回答した人の割合をポイント化し、高い順に並べてランキングにした。つまり、数字が高いほど、社内の人たちが「社内恋愛が盛ん」と思っている人が多い、ということになる。

ランキングは、カイシャの評判の掲載企業のうち、クチコミ件数が累積120件以上で、アンケートへの回答者が30人以上の企業が対象。対象社数は527社となっている。なお平均ポイントは32.4ポイント、各社のポイントと順位は9月15日時点の値を基に作成している。今回はそのうち、上位100社を紹介していく。

休日のタイミングや懇親会の多さが影響?

トップは頭ひとつ抜けてランクインしたのは、お家騒動でも話題になった、あの大塚家具だ。94ポイントということは、回答した人のほとんどが「社内恋愛が盛ん」、と回答しているということになる。

社内恋愛の状況について直接的なコメントは見あたらなかったが「上司や先輩社員との関係は非常に良い。仲良し会社」(20代女性/現正社員/営業系)、「社員同士は仲が良いので人間関係が原因で辞める人はいない」(20代女性/現正社員/企画・事務・管理系)というように、社員の仲の良さについて語るコメントが目立つ。

さらに、「社員同士で仲が良く、人間関係に悩むことはあまりない。休日も交代休で休みの日は社員との交流が多い」(20代男性/現正社員/営業系)と、平日が休みであることから、社外の人ではなく、社内の人と休日も過ごすという人が多いようだ。そうした環境も社内恋愛が盛んになる要因となっているのだろう。

2位はリクルートグループの中で「リクナビ」などを展開する、リクルートキャリアがランクインした。

「基本的に仲がいいと思う」(20代男性/現正社員/営業系)、「いろんな雇用関係の方が多く、正社員もそれ以外も関係なく、仲が良かったと思います」(40代女性/現非正社員/企画・事務・管理系)、「部や課には懇親会に使う予算がもともともらえて、大体どのグループも予算を使い切っていました。社員、契約や派遣、アルバイトも含め、社内の何人かで旅行に行けば、その分の旅行代金も出ました」(40代女性/現非正社員/企画・事務・管理系)というように、仲が良いだけではなく、会社持ちの懇親会といった、社内イベントの開催が社内恋愛を醸成しているようにも思える。

同じく2位には、サイバーエージェントが入った。

「月にいくらかの懇親会費も支給され、社員同士の交流も盛んなのが良い環境を作っていると感じる」(20代女性/現正社員/クリエイティブ系)、「部署内外で関係無くつながりを持てる会社でした」(20代男性/元非正社員/クリエイティブ系)と、懇親会費の支給があり、社員同士の交流の機会が多いことを、多くの人が特徴として上げている。リクルートキャリア同様、こうした社内交流の機会の多さが、社内恋愛の多さにつながっているのかもしれない。

上位の会社を見ていると、小売りやサービス、人材系企業の名前が多いように映る。IT系企業など社員の年齢層が若い会社も目に入った。業種というよりは、社風もかなり影響している可能性も高いようだ。