黒いビニール袋に包まれた赤ちゃん(画像は『新浪福建 2017年8月10日付微博「#新生儿被打包成快递 #最新情况通报」』のスクリーンショット)

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このほど中国から産まれたばかりの我が子を物のように梱包し、宅配便で配送するという母親の話題が届いた。気温は37度という猛暑の中、赤ちゃんはまるで助けを求めるかのように精一杯泣き声をあげていたという。この時の動画が中国のSNS『微博』に投稿されると、ネチズンに怒りが拡大している。『Shanghai Expat』などが伝えた。

福建省福州市晋安区で8月9日、黒いビニール袋に包まれた新生児が発見された。荷物を集荷後、目的地に向けて車を走らせていたドライバーが、袋から泣き声がするのに気づき不審に思って中を開けてみた。袋の中には生後間もない女の赤ちゃんが入れられており、送り先は福州市の児童福祉施設となっていた。

当時の気温は37度であり、黒いビニール袋の中では相当な暑さを感じていたのだろう。赤ちゃんは汗だくで激しく泣いていたという。駆け付けた人達が水を含ませた綿棒を口へと運んで飲ませ、地元の警察と救急隊によりすぐに病院へと搬送された。

警察はその後、24歳の母親ルオ(仮名)が母親だと特定した。ルオは我が子を梱包して宅配便で児童福祉施設へ配送しようとしたことを認め、育児放棄・虐待などの容疑で警察に逮捕された。有罪となれば最大5年の懲役刑が科せられるという。幸いにも赤ちゃんは命に別状なく、健康にも問題はないとのことだ。

中国のSNSによると母親は赤ちゃんを引き取ると主張していたようだが、これに対してネチズンからは非難のコメントが相次いでいる。ネットユーザーは「赤ちゃんをこんな母親に戻すなんて! この女にまた同じようなことさせてもいいの?」「そんな人、親と呼ぶ資格なんてない、国はこんなことをする人達から親権を取り上げるべきだ」と怒りを露わにしている。

ちなみに『CNN』によると、中国民政部の最新の調査で中国ではおよそ46万人の孤児がいると報告されている。特に農村地帯では家計を継ぐのが男子という文化的な理由もあり、男の子は大事に育てられるが女の子が生まれると経済的負担もあり放棄されることが時々あるそうだ。

実際に今年5月にも中国の農村部で森の中で赤ちゃんが生き埋めにされ運よく犬に発見され、一命を取りとめたという出来事があった。

画像は『新浪福建 2017年8月10日付微博「#新生儿被打包成快递 #最新情况通报」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)